家族の誰かが 水疱瘡 にかかると、他の 兄弟 が感染する可能性は非常に高いです。中には兄弟感染しない場合もありますが、近い将来水疱瘡にかかる可能性があると考え、水疱瘡の兆候がないか気を配ったり、予防接種を検討したりするなどの対策を行いましょう。
症状が出ていない他の兄弟の登園・登校は、家庭の状況、園や学校の先生のご意見を考慮して判断しましょう。
水疱瘡の兄弟感染について
水疱瘡が兄弟間で感染する可能性は
水疱瘡の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは感染力が非常に強いため、免疫のない兄弟、つまりこれまでに水疱瘡にかかったことのない兄弟は、感染する可能性が非常に高いです。
兄弟の誰かが幼稚園・保育園・学校でウイルスに感染し、帰宅後、他の兄弟にも感染させてしまうケースが多く、家庭内では以下のような感染経路が主として考えられます。
- くしゃみや咳で飛び散ったしぶきを介して感染する飛沫感染
- ウイルスのついた手等を触る事で感染する接触感染
- 空気中を漂うウイルスを吸い込んで感染する空気感染
室内で一緒に遊ぶことだけでなく、同じお風呂に入る、同じ寝室で寝る等、日常生活のあらゆる場面で感染する危険があります。
水疱瘡が兄弟間で感染する場合、後から感染する子どもは、先にかかった子どもの発症から2~3週間程で発症し、後から感染した子どもの方が症状が重い傾向があります。
では、家庭内で水疱瘡を発症した場合、緊急に他の兄弟に水疱瘡の予防接種を受けさせるのは効果があるのでしょうか。水疱瘡を発症した子と接触してから72時間以内に予防接種を受ければ、水疱瘡の発症を高い確率で防止できます。予防接種を受けても感染してしまう場合ももちろんありますが、まだ水疱瘡に感染していない兄弟への感染を防止する、また、感染しても重い症状が出るのを防ぐという点では緊急接種は効果があると言えます。
水疱瘡に感染した場合の他の兄弟の登園・登校は
兄弟の誰かに水疱瘡の症状がでた場合、もちろん本人は幼稚園・保育園・学校を休ませなければなりませんが、他の兄弟も同様に休ませなければならないのでしょうか。
休んでいる間常に誰かが子どもの世話をできる状態であれば、潜伏期間中かもしれない事や他のお友達に感染させる心配を考えると、可能性がある兄弟全員を休ませた方が良いという考え方もあります。
ですが、もし兄弟全員を休ませるとなると、未発症の子については潜伏期間だけで2~3週間、発症が認められればさらに1週間程度という長期にわたって自宅で過ごすことになります。世話をする方の仕事等が制限されることもありますが、発症していない子どもにとっても、自分は元気なのに家でおとなしくしないといけないのはとても苦痛を感じることでしょう。
兄弟内で水疱瘡を兄弟がいる場合、水疱瘡を発症していない兄弟の登園・登校についての考え方は、園や学校の方針によって異なります。また、家庭の状況(常に子どもの世話をできる人がいるか)によっても対応が変わりますので、まずは園や学校の先生に相談してみましょう。親しくしているお友達が居る場合には、感染を防ぐためにも発症している兄弟がいる事を親御さんに事前に連絡しておいたほうが良いでしょう。
水疱瘡が兄弟で感染しない場合もある
兄弟の誰かが水疱瘡にかかると、水疱瘡にかかった事のない他の兄弟に感染してしまう可能性が非常に高いですが、中には、水疱瘡にかかった事がなく、さらに水疱瘡の予防接種も受けていなくても兄弟感染しない場合もあります。
水疱瘡の予防接種を受けていない場合、不顕性感染(ウイルスに感染していても症状が出ない)は少ないですので、潜伏期間を過ぎても症状が見られない場合、感染していない可能性が高いです。
しかし、兄弟感染しなかったからといって決して油断をしてはいけません。一旦は兄弟感染がなかったと思っても、少し後の時期に水疱瘡に感染してしまうかもしれません。子どもの健康状態にこれまで以上に気を配り、水疱瘡と疑わしい症状が見られたら、すぐに医師の診察を受けましょう。
また、子どもの時に水疱瘡にかからなかった人が成人してから水疱瘡にかかると、発熱や発疹などの症状が重く、入院や隔離を余儀なくされる事もあります。大きくなってからの感染の恐れを考え、水疱瘡の予防接種を検討しましょう。高い確率で水疱瘡の発症を予防できますし、もし水疱瘡にかかってしまっても軽く済む事が多いですので、受けておいた方が安心です。
水疱瘡が兄弟で感染しなかった場合、将来水疱瘡にかかる可能性があると考えて決して油断せず、これまで以上に水疱瘡の兆候がないかに気を配ったり、予防接種を検討したりするなどの対策を行いましょう。
まとめ
水疱瘡の兄弟感染について
水疱瘡が兄弟間で感染する可能性は
水疱瘡に感染した場合の他の兄弟の登園・登校は
水疱瘡が兄弟で感染しない場合もある