水疱瘡 の 治療 にはウイルスを退治する、かゆみを抑える、熱を下げるという3種類があります。ウイルスに対しては抗ウイルス薬を使います。かゆみにはカチリを使います。熱をすぐに下げると完治が遅れるため様子を見ながら解熱剤を使います。
水疱瘡の治療方法
ウイルスを退治する
水疱瘡はウイルスに感染することで起こります。発熱の後に発疹が出てきます。小さな赤い発疹は水ぶくれの水疱になり、すべての水疱がかさぶたになると完治します。
ウイルスは「水痘帯状発疹ウイルス」と呼ばれるもので、感染力が非常に強いのが特徴です。治療では、このウイルスを退治していくのが基本になります。
治療薬として、アシクロビルや塩酸バラシクロビルという薬が使われます。これらは抗ウイルス薬で、発症48時間以内に服用すると発疹や水疱が少なくなり軽症で済みます。
発疹や水疱の数も少なくなり、かさぶたになるまでの時間も短くなります。受診した時に処方されるものですが、必ず医師の指示を守って服用するようにします。
アシクロビルはウイルスが増殖するのを抑える働きがあり、ウイルスが増殖する48時間以内が最も効果があると言われています。抗ウイルス薬ではよく使われている薬なので安全性が高く比較的副作用も少ないので安心して使えます。
飲み薬だけでなく、塗り薬や注射でも使われます。水疱瘡の症状が強く出ている場合は注射で使われます。
塩酸バラシクロビルも同じようにウイルスの増殖を抑えるのが特徴ですが、アシクロビルは1日4~5回服用する必要がありますが、塩酸バラシクロビルは1日2~3回で済むのが特徴です。吸収効率が良いと言えます。
すべての子どもや赤ちゃんに抗ウイルス薬は必要ではありません。予防接種を打っていない場合は発症してから予防接種を打った方が良いです。また、発症して長時間経過している場合は薬はあまり効果がありません。
かゆみの治療
水疱瘡は発疹によるかゆみが強いのも特徴です。かゆみに対する治療薬としてカチリ(フェノール亜鉛華リニメント)と呼ばれる薬が使われます。消毒や防腐の作用がある「フェノール」と患部を保護し炎症を和らげる「酸化亜鉛」が含まれています。トラガントと呼ばれる添加物も含まれ、皮膚を保護する働きがあります。
水疱瘡だけでなく、虫刺されなど一般的な皮膚の異常に対しても使われています。1日1回から数回発疹に塗っていきます。副作用はないです。
薬を塗るときの注意点として、手洗いをした指で優しく塗るようにします。子どもの場合、大人が塗ってあげることが多いと思いますが、水ぶくれが破裂すると中にいるウイルスが空気中に出てきて大人にも感染してしまいます。
化膿してしまうと、抗生物質の軟膏が追加で必要になってしまいます。この予防方法として、赤ちゃんや子どもの爪は短く切っておきます。また、よく手洗いをして清潔を保つようにします。
薬を塗る時は皮膚全体に塗るのではなく、発疹1つ1つに塗っていきます。おおざっぱにぬってしまうと、早く薬がなくなってしまうためもったいないです。
発熱の治療法
水疱瘡では高熱が出ることはあまりありませんが、発熱の場合はどのように対応すればよいのでしょうか。発熱がある場合、ウイルスの増殖を抑え白血球の働きを活発にしています。
そのため、熱が出てすぐに解熱剤を服用してしまうと完治まで時間がかかってしまいます。ただし、高熱が続いてしまうと体力をものすごく消費してしまいます。
解熱剤を使う時は、40℃近い高熱の場合と、何日も熱が下がらない時です。子どもは大人より体力が低いため、これらの場合は解熱剤を使うのが良いでしょう。発熱してしばらくは様子を見て薬を使うかどうか判断するようにします。
解熱剤の中にはアスピンが含まれていることがあります。子どもが服用すると、重い脳症を引き起こすことがあるので、使わないようにします。
市販の解熱剤を使う時はアスピンが含まれていないかどうか確認するようにします。医者に処方してもらうのが安全です。
まとめ
水疱瘡の治療方法
ウイルスを退治する
かゆみの治療
発熱の治療法