殆どの大人は水ぼうそうを子供の頃に経験していると思います。 水ぼうそう の発症ピークは1から2歳で、遅くとも10歳までには発症する事が一般的です。現代では水ぼうそうの予防接種も行われるようになり、発症しても症状は軽くて済むようになっています。
水ぼうそうの原因ウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれており、非常に感染力が強いので、避ける事は不可能に近いです。しかし、一度感染すると免疫ができ、その後発症する事は殆どありません。
ただ、大人になり、体が弱っている時などに水ぼうそうの原因ウイルスが帯状疱疹としてあらわれてくることがあります。大人でよくみられるヘルペスは子供の頃にかかった水ぼうそうの感染がその大元の原因でもあるのです。
子供の水ぼうそう
水ぼうそう発症の流れ
子供の水ぼうそうの始まりは、37度台の発熱や食欲低下に始まりますが、乳児の場合は傍から見て体調の変化に気づく事は難しいでしょう。この時期は体内に取り込まれた水痘・帯状疱疹ウイルスが爆発的に増殖した段階です。
実は体に症状が現れる2週間前には水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しています。ウイルスは2週間かけて徐々に増殖して行くのです。発熱はだいたい1日から3日で治まります。
その後、小さく平らで赤い発疹が見られるようになります。ちょうど虫刺されに近い状態です。お腹や顔にぽつぽつとみられ始めますが、この段階でも水ぼうそうと気づくことは難しいです。赤い発疹が出始めて数時間すると発疹が膨らみ水疱を形成し始めます。
ここまでくると順に発疹・水疱形成と体全体に広がりが見られますので、水ぼうそうである事に気づく事ができると思います。この水疱形成の時期が一番痒い時期ですので、なるべく早めに病院受診をしてあげてください。
症状は大体1週間から10日で治まります。水疱はやがて乾燥し、かさぶたを形成します。かさぶたは大体3週間ほどで自然に剥がれ落ちます。掻き毟ったり、早めにはがしてしまったりすると傷になり、皮膚に跡が残る事がありますので、あくまでも自然に任せる事が望ましいです。
登園・登校のタイミング
水ぼうそうの水疱の中には水痘・帯状疱疹ウイルスが沢山存在します。水疱の周囲の赤みが治まり、しっかりとしたかさぶたができるまでは登園・登校は控える事が望ましいです。
「誰もが一度は水ぼうそうにかかった方が良い」「小さいうちに水ぼうそうにかかった方が症状が軽くて良い」などの俗説が一般的に広がりを見せていますが、水ぼうそうは時に死につながる事もある感染症です。安易に考えてはいけません。
重症化しやすい人
水ぼうそうが重症化し死亡する人は100万人に20人と言われており、現在でもはしかでなくなる人よりも多いのが現状です。
4か月以下の乳幼児は母親から免疫を受け継いでおり重症化する事はまれですが、熱によるけいれんや髄膜炎、気管支炎等、他の病気としてあらわれる事が多くみられます。
水ぼうそうにかかる時期で、特に注意を要さなければならないのが4か月以降1歳未満の子供です。母親からもらった免疫は徐々になくなっていきますので、6.7か月以降で水ぼうそうにかかってしまうと、免疫による抵抗力が無く重症化を示す可能性が高くなります。
ワクチンによる予防接種は1歳以降から可能ですので、予防接種前に水ぼうそうにかかる事は可能な限り避けたいものです。次に重症化しやすい人は病気や薬を服用していて免疫力が低下している人です。
白血病やネフローゼ症候群といった腎臓の疾患を持っている人はステロイド治療を行っており免疫力がかなり低下した状態で生活しています。こういった方が水ぼうそうにかかると、重症やしやすく死につながる事もまれではありません。
治療中は予防接種も受ける事が出来ませんので、徹底した感染管理を必要としています。最後に、水ぼうそうにかかって重症化しやすいのが妊婦さんですが、自際に重篤な状態になるのはその子供です。
今までに水ぼうそうにかかったことがなく、妊娠時に初めて水ぼうそうにかかった際は2%の割合で胎児や新生児に重たい障害が残ります。また、無事出産できたとしてもすぐに抗ウイルス剤による治療が行われなければ生後5日から10日で子供が水ぼうそうを発症し、その30%が死に至っているといったデータがあります。
多くは大きな問題の無い水ぼうそうですが、その中には重篤な問題につながる人がいるという事を忘れてはいけません。
まとめ
子供の水ぼうそう
水ぼうそう発症の流れ
登園・登校のタイミング
重症化しやすい人