発達障害 の療育は、2000年頃にようやく注目されはじめた未知数の分野です。症状やタイプの幅広さ、スペクトラム(連続体)と表現される多症状への繋がりから、有効的な改善方法を得ることが困難な場合が多くあります。
そのようなときに、当事者や保護者や療育者の ブログ からヒントを得る可能性が大いにあります。
ブログにヒント?発達障害の困り解決(前編)
発達障害児の世界観と困窮する日常生活
発達障害の子どもにはさまざまな特性があります。
感覚過敏や常動行動そして認知の違いから集団行動を乱してしまい、一般的な家庭生活が送りづらいなど周囲が困ってしまう場面が日常で起きます。そのような場面で、関係する周囲の大人はいろいろと試行錯誤し改善しようと試みますが、思うようには運ばないことも多いようです。
視覚や聴覚と違って、脳の機能不全である発達障害の子どもが実際にどのように感じ、どのように困っているのか、なぜこのようなことをするのか、理解することは容易ではありません。
理解が進まないために、発達障害の子どもが生活する現場では困窮していることも少なくないのですが、もともと、定型発達の子どもでも幼児期は言語で自己を表現するのは未熟なものです。発達障害の子どもとなれば、さらに困難であり言語表現をもたないタイプの子どももいます。
一般的な発達をした大人は、言語で自己を表現し言語で相手を理解しますから、我が子であっても感覚の違う子どもを、言語によるコミュニケーションが未熟な状態で理解を進めるということは、相当な困難であるといえます。
冒頭にも述べたように、発達障害への理解はまだ始まったばかりですから、専門機関であっても歴史が浅く情報量は十分とはいえません。緊急に助けを求めている家庭が存在しても、良い改善策がみつからないということも稀ではありません。
しかし、現在ではインターネットの普及と、発達障害への理解を呼びかける運動が盛んになったお陰で、当事者がブログという形で発達障害や発達障害をもつ自身について公表しています。
本人と周囲の努力によって言語表現能力を獲得した経緯、当時を振り返った内容や今でも残る感覚過敏、認知の違いを含めた思考などを綴っています。
一般社会との轍を乗り越えるために親子で右往左往しながら凝らした工夫や、誤解されている原因、想像を超えた世界観などが記された一文を目にすることがあります。当事者の思いを知ることは、何よりも理解への近道になるのではないでしょうか。
そして、思春期や成人するまでの過程のさまざまな葛藤や心の叫びに触れてみるのも、さらなる理解へつなげられる可能性が大いにあります。
まとめ
ブログにヒント?発達障害の困り解決法(前編)
発達障害児の世界観と困窮する日常生活