便秘は、便が硬くて出にくい状態をいいます。子供は肛門の括約筋や腸の動きが未熟なので便秘になりやすく、頑固な便秘と戦う子供の姿に悩む親も少なくありません。
便秘 に効くと言われる方法や食べ物は沢山あり、その効果もひとそれぞれですが、ここでは 野菜 に焦点を絞ってみていきましょう。
便秘に効く野菜の食べ方
子供の便秘の原因
便秘にはいろいろな原因が考えられますが、子供の便秘の場合、就学前の乳幼児期は便を出す力が弱いことによるものがほとんどです。
母乳からミルク、あるいは離乳食への移行時期や、トイレトレーニングでの失敗体験から排便をがまんすることなどがきっかけになって、便が硬くなった結果、便を出す力が弱いので排便に苦痛を伴い、痛いから我慢してさらに便が硬くなる、という悪循環に陥ってしまいます。
また、就学後は環境が変わることによるストレスから自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが悪くなる状態が考えられます。
便秘の解消にはそれぞれの状態を見極め、原因にあったアプローチをすることが大切で、便秘解消法としての野菜の選び方にも注意が必要です。
便秘と野菜の関係
野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が含まれていて、十分な量をバランスよく採ることでいろいろな病気を予防することができます。野菜をしっかりと食べることは便秘の予防や解消にも効果がありますが、野菜に多く含まれる食物繊維が特に大きな役割を果たしています。
ところが、野菜を食べても便秘になる、野菜を食べても便秘が治らない、といった事例もあり、野菜の選び方や食べ方にも気をつけなければいけないことがわかってきました。
食物繊維を多く含む野菜は消化が悪く、腸内でゆっくりと時間をかけて消化されます。大腸は食べ物から水分を吸収することが仕事なので、野菜がゆっくりと消化されている間に水分が吸収された便はどんどん硬くなり、出るときに痛みを伴ったり出にくい状態になったりしてしまうのです。
ですから、もともと腸に便が溜まっている人が便秘を解消しようと野菜を食べ過ぎると、腸内に消化されない食物繊維がさらに溜まってしまうので、野菜を食べているのに便秘が治らないということになってしまいます。
食物繊維の種類とその働き
食物繊維は大きく不溶性と水溶性とにわけられ、それぞれ違った働きをします。不溶性食物繊維は野菜や豆類、穀物に多く含まれており、腸内で水分を吸収して膨張し便の量を増やしたり、腸の働きを活性化したりします。
食事制限や筋力の低下によって便が出にくい状態の人には効果が期待できますが、不溶性食物繊維は消化されにくいので、サラダなど生で食べるよりも加熱して食べる方が消化に良くなります。
また、不溶性食物繊維を多く含む野菜ばかりを食べ過ぎると便が溜まりやすくなってしまうので注意が必要です。
一方水溶性食物繊維は果物やきのこ、海藻やネバネバ系の食品に多く含まれており、大腸に到達すると善玉菌のエサになり腸内環境を改善し、便を軟らかくする働きをします。
便が溜まっている人は、まず便を軟らかくする必要があるので野菜よりも水溶性食物繊維の多い果物や海藻類などを多めに取り入れると効果的です。
また、ストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れによって便が硬くなってしまう症状の人にも効果が期待できます。
便秘に効く野菜の食べ方
不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も、それぞれの働きで腸内の環境を整える効果があるので、どちらかに偏り過ぎないようにバランス良く取り入れることが大切です。
食物繊維だけでなく他の栄養素を総合的に取ることも必要で、便秘を解消したいあまりに食物繊維ばかりを意識しすぎると、食物繊維は栄養素を吸着し、吸収を阻害する働きもするので、鉄分やカルシウムなどの吸収を妨げてミネラル不足になる恐れもあります。
また、水分の摂取が足りないと便が硬くなりやすいので、野菜と一緒に水分をとることを心がけましょう。いろいろな食材を入れてスープやみそ汁にして食べるとバランスが取りやすくなります。果物を取り入れる場合も、ヨーグルトと一緒に食べるとさらに効果的です。
脂質も、便の滑りを良くする効果があることがわかっています。野菜は油との相性も良いので、少量の油と一緒に炒めて食べるのも良いでしょう。
このように、便秘の予防や解消には、症状に合わせて不溶性・水溶性食物繊維のバランスを意識して野菜を選ぶとともに、野菜ばかりを食べ過ぎないように注意し、水分や油分、他の栄養素もバランスよく取り入れることが効果的です。
また、生活習慣の見直しやストレスの軽減を図ることも大切です。
まとめ
便秘に効く野菜の食べ方
子供の便秘の原因
便秘と野菜の関係
食物繊維の種類とその働き
便秘に効く野菜の食べ方