子供の頭痛の原因は実にさまざまだと言われていますが、便秘がその原因のひとつになっている可能性があります。頭とお腹は位置的に離れているために、にわかには信じがたいと感じられる保護者の方もあることでしょう。
便秘 が 頭痛 を引き起こすメカニズムをご紹介いたします。
便秘が頭痛を引き起こすことがあるのは本当ですか?
便秘が頭痛を引き起こすメカニズム
便秘になると大腸に便が溜まった状態になります。溜まった便は徐々に腐敗していきますが、おおよそ3日くらいするとスカトールとインドールと呼ばれる悪質なガスを発生し始めます。
このガスは腸壁から血液に吸収されますので、体中にガスの毒素が回ってしまいます。その結果、筋肉や臓器の動きが悪くなって、血流も低下するという悪循環を生みます。
当然、頭に送られてくる血液の量も減り、血液の質も悪いために、筋肉が収縮して頭痛を引き起こしてしまうのです。
さらに、便秘そのものによってもある程度の血行不良を生じますので、頭痛の原因になっているということも言えます。
頭痛をやわらげ、便秘を解消するには
頭痛の原因が便秘であるとすると、根本的には便秘を解消するのが解決策です。しかし、頑固な便秘は一朝一夕に解消することが難しいものです。頭痛をやわらげながら便秘を解消する方法はないものでしょうか。
頭痛と便秘の両方に効果的な食べ物はマグネシウムを多く含んだものだと言われています。マグネシウムは血管の収縮を抑え、腸内に水分を集める働きするのです。
具体的な食材としてお勧めなのは水溶性食物繊維も豊富に含む納豆や不溶性食物繊維を多く含むニンジンなどです。納豆は腐敗した便やガスを分解する働きもする優れた食材です。
カフェインも毛細血管を拡張する働きをもっていて、頭痛をやわらげてくれます。コーヒーはカフェインの配合量が多すぎて、大腸を刺激しすぎると言われています。
また、お子さんにはコーヒーを飲ませていないという保護者の方もあるかと思いますが、100ml中に10mgのカフェインを含むココアで頭痛をやわらげる効果が十分に期待できると言います。
慢性的に便秘による頭痛がある場合には腐敗ガスを吸収するような整腸剤の活用も視野に入れてもよいかもしれません。かかりつけの小児科医に相談してみてください。
頭痛薬と下剤の併用
頭痛薬の中には副作用として腸の動きを鈍くするものがあります。また、下剤には筋肉を無理に動かす結果として血管を収縮させてしまい、頭痛を悪化させてしまうものがあります。
頭痛と便秘の片方が改善しても片方が悪化するということにもなりかねませんので、お子さんに薬を服用させる場合には、小児科医とよく相談してください。
便秘の解消には
便秘の解消には何よりも規則正しい生活が大切になってきます。
生活習慣として保護者が注意すべきなのは、トイレトレーニングの時期を含め、トイレを楽しくくつろげる場にすることです。
幼児期以降は朝の目覚めにコップ1杯の水を飲む習慣を身につけるとよいでしょう。その後、朝食を摂ることは便秘の予防のためだけではなく健康全般のために必須です。
学童期には学校での排便を我慢するようなことも考えられるので、登校前に15分の排便タイムがとれる余裕がほしいものです。
夜遅くまでテレビを観たり、ゲームをしていると睡眠時間が減少するだけではなく、脳が興奮状態になって自律神経の交感神経優位の状態になってしまいます。このようなことも便秘の原因になってしまいます。生活習慣についてお子さんと話し合うことも大切です。
まとめ
便秘が頭痛を引き起こすことがあるには本当ですか?
便秘が頭痛を引き起こすメカニズム
頭痛をやわらげ、便秘を解消するには
頭痛薬と下剤の併用
便秘の解消には