子供の便秘は決してめずらしいことではなく、治療が必要な便秘症も10人に1人以上いると考えられています。子供が便秘で苦しむ姿を見ることは保護者にとってもつらいものです。便秘を防ぐために効果的な方法はないものでしょうか。
便秘 の 対策 をご紹介いたします。
早寝・早起き、規則正しい生活が便秘対策の第一歩
便秘とは
便秘とは便が長い間出ないか、出にくいことで、一般的には、週3回より回数が少なかったり、5日以上出ない日が続くと便秘だとされています。たとえ毎日出ていても、排便時に痛くて泣いたり、肛門が切れて血がにじんだりする場合も便秘です。
腸に便が溜まり過ぎると小さいコロコロの便や柔らかい便が1日に何回も出るようなことがありますが、この場合も排便していても便秘だと考えられます。便秘のために治療が必要な状態を便秘症といい、便秘症が1~2ヶ月以上続いた場合は慢性便秘症といいます。
便秘を防ぐ生活習慣
まず、早寝・早起きをして食事時間なども一定にする規則正しい生活が大切です。学童期の子供であれば、学校での排便を我慢してしまうようなこともあるので、登校前にゆったりとトイレに行けるような余裕のある生活スケジュールを組みましょう。
次いで、栄養バランスのとれた食事を1日に3回決められた時間に摂るようにし、決められたおやつの時間の他の間食をやめるようにしましょう。
体を動かすことは、腸を動かすことにつながります。散歩やお手伝いなどの軽い運動を毎日継続することが大切です。ストレッチやお腹のマッサージも便秘を防ぐために有効です。
便秘を防ぐ食事
食事療法が便秘に効果があるかどうかは非常に個人差があると言われていますが、食事に留意することは健康全般に大切なことです。よく言われるように食物繊維には腸で吸収されずに水分を含んで便のカサを増し、便が硬くなることを防ぐ効果があります。
また、大腸の中で発酵するので大腸に刺激を与えるという効果も期待できると言います。
食物繊維を摂るのに適しているのは野菜・海藻・果物・芋類・豆類などですが、それぞれの食材によって食物繊維の含有量が違ってきますので、食品成分表などを参考にしてみてください。
また、水分の摂取が不足しても便秘の原因になります。運動時にこまめな水分補給をすることは言うまでもありませんが、寝汗をかいた時などにも水分補給を心がけてください。
便秘の治療薬
生活習慣を改善し、食事を見直しても便秘が解消されないときには、薬による治療が必要になることがあります。子供の便秘には浸透圧性下剤、刺激性下剤、座薬などがよく用いられます。
一般的には浸透圧性下剤で治療を開始されることが多いようです。便に直接働きかけて、柔らかくするもので、習慣性がないか、あっても少ないものだと言われています。
浸透圧性下剤で効果がみられない場合には刺激性下剤に切り替えるか、刺激性下剤を加えるということがあります。これら以外にも消化運動亢進薬や漢方薬が用いられる場合もあります。
便秘の悪循環に陥らないために
治療が必要な便秘症になると事態は悪化するばかりになってしまうと言います。子供は2~3歳になると排便時に一度痛い思いをすると次の排便を我慢するようになります。
しばらく我慢すれば、便意は消えてしまいますが、便は水分を失ってさらに硬くなってしまうので、次に排便しようとするとさらに痛い思いをすることになってしまいます。
さらに、常に直腸に便がある状態が続くと腸は鈍感になってしまって、便意を感じなくなってしまうと言います。便意がないと、便が長い間腸に留まることになって、便が硬くなってしまう結果になります。
生活習慣や食事を見直すこと、さらには治療によってでも、便を柔らかくして、便をするとすっきりするということを体感できるようにすることこそが、上述の2つの便秘の悪循環に陥らないための一番の方法なのです。
排便を無理強いすることなく、子供にとってトイレがほっとできる、気持ちのよい場所であるように配慮してください。
まとめ
早寝・早起き、規則正しい生活が便秘対策の第一歩
便秘とは
便秘を防ぐ生活習慣
便秘を防ぐ食事
便秘の治療薬
便秘の悪循環に陥らないために