幼い子供は体調や気分の悪さを「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴えることもあって、子供の頭痛の診断はなかなか難しいものだと言います。
頭痛はさまざまな原因で起こるために受診先を迷ってしまうこともあるかもしれません。そんな時に 頭痛外来 を受診してみるのはいかがでしょうか。
長引く子供の頭痛に頭痛外来という選択肢も
頭痛外来とは
頭痛はごくありふれた症状ですが、その原因は非常に多岐にわたっています。そのため、受診すべき窓口も神経内科、脳神経外科、精神科などになってしまいます。
頭痛の原因がどこにあるかということは大人でもわかりにくいことです。まして、言葉で自分の状態をうまく伝えることのできない幼い子供が頭痛を訴えると心配とともに困惑してしまう保護者もあるかもしれません。
そんな時、かかりつけの小児科医に相談するとともに、多様な専門分野の医師が診療にあたる頭痛外来を受診することも非常に有効です。
頭痛外来は頭痛全般について診断と治療を行っており、場合によって最も適切な診療科や病院を紹介してくれるようなこともあります。
頭痛外来の診療の流れ
頭痛外来ではまず、問診・診察・検査などによって、その頭痛の原因をさぐっていきます。
頭痛には他の病気が引き起こしている二次的な頭痛とでも呼ぶことのできるものがあります。その場合には原因となっている病気を取り除くことに主眼がおかれることになります。
原因となる病気には風邪や発熱などの他に、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎などのような危険なものもあります。
また、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などのように命には別条ないものの慢性的に悩む場合が多い頭痛は、頭痛そのものをコントロールすることに主眼がおかれることになります。
頭痛外来で医師に伝えること
「頭痛の診断は問診で決まる」と言われていると言います。幼い子供が自分の症状を言葉で伝えることはなかなか難しいことですので、お子さんの話をよく聞いて上で、保護者が観察したことを記録して持参するとよいでしょう。
頭痛外来で医師に伝えるポイントは、頭痛はいつ、どのように起きたか・痛みの持続時間・頻度・頭のどの部分がどのように痛むか・痛みの強度(寝込んでしまうほどか)・頭痛の他の症状の有無・頭痛を悪化したり軽くするものの有無・生活への支障度などとなっています。
日常生活の記録とともに頭痛日記とでも言えるようなチェックシートを持参すると診断の助けになることでしょう。
子供の頭痛の注意点
子供の頭痛の特色として、持続時間が短く、発作以外の時間はケロリとしているので診断がつけにくいだけでなく、周囲の理解が得られにくいということがあげられます。
片頭痛でも子供の片頭痛は大人の片頭痛と違い、持続時間は2時間からで、痛む箇所も前頭側頭部の両側性であることが多いものです。また、腹部症状を伴うことも多く、大人にみられる光過敏は症状としてあってもうまく言い表すことができないことがあるようです。
上述のように同じ種類の頭痛であっても、大人の症状とは違っていたり、表現が未熟なために自分の苦痛を伝えきれない可能性があることなどを保護者を始めとして周囲の大人はしっかりと理解すべきです。
たとえば、風邪症状があっての頭痛であれば、保健室で休むということが可能ですが、片頭痛は理解されにくいという側面があります。
頭痛を訴えても休ませてもらえないということが不登校のきっかけになってしまうというようなことがないように、保護者は園や学校と連携がとれるように配慮する必要があります。
また、年少児の光過敏や音過敏は行動から推測されるものとされていますので、お子さんが眩しがったり、音をうるさがったりするような行動にも留意してください。
まとめ
長引く子供の頭痛に頭痛外来という選択肢も
頭痛外来とは
頭痛外来の診療の流れ
頭痛外来で医師に伝えること
子供の頭痛の注意点