子どもの頭痛は風邪やインフルエンザといった感染症が原因となるあまり心配のいらないものから、髄膜炎などに起因する命にかかわるものまでさまざまなものがあります。
子どもの 頭痛 の 原因 を知って、速やかに対処できるようにしておきましょう。
子どもに多くみられる頭痛の原因とは?
子どもの頭痛の種類
子どもの頭痛は大きく二つのタイプに分類することができます。ほかの病気を伴わない「一次性頭痛」といわれるものと、ほかの病気によって引き起こされる「二次性頭痛」といわれるものにわけられます。
頭痛のおおよそ9割は一次性頭痛で、緊張型頭痛や片頭痛などがこれにあたります。
残りの約1割が二次性頭痛で、インフルエンザや風邪、中耳炎といった感染症に起因するもののほか、髄膜炎、クモ膜下出血といった命にかかわるような病気に起因するものもあります。
二次性頭痛では、緊急の対応が必要になるものもあるということを念頭に置くことが大切です。
片頭痛
子どもに多くみられる頭痛の原因のひとつに片頭痛があります。5歳くらいから片頭痛を訴えるようになります。子どもの両親のうちの片方でも片頭痛持ちだと、その子どもにも体質的に遺伝することが多いといわれています。
片頭痛があらわれるときは、目の焦点が合わなくなったり、周囲がきらきらと見えたりする目に関する症状が先行してあらわれることがあります。子どもの片頭痛は、大人とは違い、頭の両側に起きることもよくあります。
また、頭痛の持続時間も大人の片頭痛よりもずっと短く、2時間ほどで痛みが軽減していくこともよくあります。ズキズキとする痛みがあったり、吐き気をともなったりすることもあります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛というのは、頭をぎゅっと締め付けられるような痛みが30分ぐらい続く頭痛です。長いときは、7日ほど痛みを感じ続けることもあります。同じ姿勢を長い時間続けることによって起きることもありますが、多くは精神的ストレスが原因となり発症します。
家庭や幼稚園、学校などでの人間関係や少し大きな子どもでは、勉強がうまくいかないことなどによってもストレスを感じます。心理的な原因が複雑に絡んで、頭痛を起こしている場合、治療に長い時間がかかることもあります。
風邪
子どもの二次性頭痛でもっとも多いのは、いわゆる風邪やインフルエンザが原因となって起こる頭痛です。発熱していると頭痛を感じることが多くなります。発熱していないのに、頭痛があるというときは、熱があがる予兆であるともいえます。
風邪やインフルエンザが原因の頭痛の場合は、風邪の症状がおさまってくると頭痛も一緒に落ち着いていきます。ただ、高熱が3日以上続いたり、水分を十分に摂れなかったりするときは早めにかかりつけの小児科に受診するようにしましょう。
中耳炎
子どもは耳のかたちの関係で、よく中耳炎を起こします。中耳炎は耳の中が痛むのですが、それに伴い、頭痛を感じる子どももいます。
また、中耳炎では発熱を伴うこともあるので、熱があがることによって頭痛を感じることもあります。耳の中にたまってしまった水や膿などの排出を促す薬を使って、症状がおさまるのを待ちます。
副鼻腔炎
子どもは副鼻腔炎でも、頭痛をよく訴えます。副鼻腔炎は、風邪や鼻炎などで鼻水が副鼻腔に溜まってしまうことで炎症を起こす病気です。こめかみや目の周り、鼻の横、前頭部などが痛くなります。
鼻水が出るので、鼻をすすってしまい、頭が痛いと感じることもあります。副鼻腔炎は慢性化することもある病気ですので、処方された抗生物質などのお薬をしっかりと飲み切って、きちんと治療することが非常に大切です。
髄膜炎
髄膜炎は乳児から幼稚園児に多くみられる病気で、発熱や頭痛が症状としてあらわれます。髄膜炎では、嘔吐がみられることもあります。
また、意識障害、錯乱といった症状が出ることもあります。発熱、頭痛があって、首を動かすと痛がるという場合は、なるべく早くかかりつけの病院で受診するようにしましょう。
髄膜炎は、子どもの命を脅かす病気のひとつです。発症後、24時間以内に病気がピークに達することもあるため、早期治療がとても重要となります。
まとめ
子どもに多くみられる頭痛の原因とは?
子どもの頭痛の種類
片頭痛
緊張型頭痛
風邪
中耳炎
副鼻腔炎
髄膜炎