髄膜炎 は小さな 子供 がかかることが多い病気のひとつです。特に乳幼児では急激に症状が悪化して最悪の場合、命を落とすこともある病気ですが風邪などほかの病気との区別が難しい病気でもあります。
髄膜炎についての理解を深めておくことが重要です。
命にかかわることもある子供の髄膜炎
髄膜炎とは
髄膜というのは、脊椎や脳を覆う保護膜のことで、この部分で炎症を起こしてしまうのが、髄膜炎という病気です。原因になるものとしては、細菌やウイルス、真菌などさまざまなものがあります。
とくに珍しい病気ではありませんが、原因となるものによっては特効薬がないため、治療が難しいという場合も少なくありません。
髄膜炎は年齢にかかわらず、だれでもが発症する可能性がある病気です。免疫力が落ちているときや体力が落ちているときなどには発症しやすくなります。
髄膜炎は、はじめのうち、風邪のような症状がみられることから、そのまま放置して重症化してしまうこともあるので、注意が必要です。
髄膜炎は大きくふたつの種類に分類することができます。ひとつは細菌性髄膜炎で重症化することが多いといわれています。もうひとつは無菌性髄膜炎で、自然に快方に向かうことも多い髄膜炎です。
細菌性髄膜炎
臨床的に注意する必要があるといわれる細菌性髄膜炎は、小さな子供がかかることが多い病気です。
主な症状としては、発熱、頭痛、嘔吐などがみられますが、乳幼児は自分の体の様子を言葉であらわすことができないため、家族が状態をよく観察してあげることが大切です。
発熱や嘔吐はわかりやすい指針のひとつですが、ほかにもおっぱいの飲みが悪い、泣き声が弱々しい、元気がないといったいつもとは違うところにも着目し、病院でかかりつけの医師に説明するようにしましょう。
細菌性髄膜炎の主な原因としては、肺炎球菌、B群溶連菌、大腸菌、インフルエンザ菌などがあげられます。年齢によって、原因となる細菌が変わってくるという特徴があります。
新生児では大腸菌、B群溶連菌などが主な原因となり、肺炎球菌などは母からの免疫によって発症しづらいといわれています。生後3か月を過ぎた乳幼児では、肺炎球菌やインフルエンザ菌、髄膜炎菌などによって発症することが多くなります。
大人になると髄膜炎菌や肺炎球菌が原因となることが多くなります。
はっきりとあらわれる症状が風邪とよく似ているため、小さい子供では発見が遅れてしまうということも少なくありません。
原因菌によっては、特効薬がないということもあり、重症化したり、後遺症が残ったりすることもあります。最悪の場合、命を落とすケースもあります。
無菌性髄膜炎(ウィルス性髄膜炎)
無菌性髄膜炎は、小学生や幼稚園といった少し大きくなった子供に多くみられる病気です。発熱、嘔吐、頭痛が主な症状ですが、風邪や胃腸炎などと間違われることも多い病気です。
これらの症状のほかに、髄膜炎では髄膜刺激症状とよばれるものがあらわれることがあります。そのひとつが項部強直とよばれるもので、首の後ろの部分が硬くなって、首を前側に曲げることが難しくなります。
ただ、項部強直ははっきりとわからないこともあるので、注意が必要です。
原因不明の発熱が続き、頭痛がみられるときは、髄膜炎の可能性をいつも考えておくことが重要です。
髄膜炎の検査
髄膜炎の検査は主に脳脊髄液検査、PCR、MRIなどによって行われます。脳脊髄液検査では、脊椎の間に専用の針を刺して、脳脊髄液を採り、白血球の増加や細菌の有無などを確認します。
脳脊髄液に細菌がみられないときは、ウイルス性や真菌性の髄膜炎の可能性を考えます。髄膜炎になると、脳髄液は白濁します。
PCRは、髄膜炎の原因となっている菌を特定するための検査です。MRIでは、脳や筋肉などの断面をみることで、髄膜炎が重症化して脳炎を引き起こしていないかを確認することができます。
髄膜炎の治療法
細菌性髄膜炎では、感染している細菌の種類にあわせた抗生物質を投与することで治療を行います。風邪と誤診して抗生物質を投与してしまうと、細菌数が減って髄膜炎の確定診断をすることが難しくなることがあります。
そのまま、適切な治療を行わないと髄膜炎が悪化して、最悪の場合、死亡することもあります。乳幼児が細菌性髄膜炎にかかると、2、3日という短い期間で死亡する危険性もあり、完治しても知的障害や難聴、てんかんの発作といった深刻な後遺症が残ることがあります。
無菌性髄膜炎はウイルス性のため、抗生物質を投与しても効果はありません。発熱に対しては解熱剤、頭痛に対しては鎮痛剤を用いて、対症療法で症状を和らげていきます。嘔吐によって脱水症に陥らないように注意し、安静にして過ごします。
まとめ
命にかかわることもある子供の髄膜炎
髄膜炎とは
細菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎(ウィルス性髄膜炎)
髄膜炎の検査
髄膜炎の治療法