髄膜炎 (ずいまくえん)は脳脊髄膜に細菌やウィルスが侵入し、炎症を起こす病気です。症状は軽く済むこともありますが、細菌性の場合は重症化しやすく、後遺症を残す恐れもあります。
それでは、髄膜炎の種類と症状、そして治療方法について詳しく見ていきましょう。
脳脊髄膜が炎症を起こす髄膜炎。その症状と治療方法は?
髄膜炎とは
髄膜炎とは、脳や脊髄の表面を覆っている脳脊髄膜に炎症が起こる病気です。
髄膜炎には、ウィルス感染による無菌性髄膜炎と、細菌感染による細菌性髄膜炎とがあり、その原因や症状、治療方法に違いがあります。
無菌性髄膜炎の症状と原因
無菌性髄膜炎を発症すると、38~39度の発熱や頭痛、吐き気といった症状が現れます。また、額の部分が張り出して固くなる、項部硬直が起こります。
この項部硬直は脳脊髄膜が炎症を起こしているために起こる、髄膜炎の特徴的な症状です。ひきつけを起こしたり、意識障害が起きたりすることもあります。
おたふく風邪にかかった子供の半数近くが、無菌性髄膜炎を発症するといわれているように、原因となっているのはおたふく風邪を引き起こすムンプスウィルスやエンテロウィルス群などのウィルスです。ウィルスが中枢神経に侵入して脳脊髄膜が炎症を起こします。
ウィルスが原因の無菌性髄膜炎の場合は、症状が軽く済むことが多く、後遺症が残ることもほとんどありません。
無菌性髄膜炎の治療
無菌性髄膜炎に効く特効薬はありません。ですので、症状に応じた治療を行います。
高熱が続くときには解熱剤を使用したり、痛みが強い時には鎮痛剤を使用したりして、安静を心がけます。多くの場合、2~4週間ほどでよくなり、後遺症は残りません。
細菌性髄膜炎の症状と原因
細菌が脳脊髄膜に侵入して炎症を起こすのが細菌性髄膜炎です。
発病すると、発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気といった症状が現れます。髄膜炎特有の、額の部分が張り出した感じに固くなる項部硬直も見られます。こういった症状は無菌性髄膜炎とほとんど変わりませんが、細菌性髄膜炎の場合、無菌性髄膜炎に比べ症状が重く、重症化することも多くあります。
意識障害やけいれんといった症状が現れることもあります。また、より重症になると、脳の細胞にまで炎症が広がり脳の血流が悪くなる結果、脳血栓や脳梗塞を起こすことがあります。
その場合は至急治療をする必要がありますので、直ちに病院を受診しましょう。知的障害やまひ、てんかん、水頭症といった後遺症が残ることも少なくはありません。
原因となる菌には様々なものがあります。1歳未満の赤ちゃんの場合はB群レンサ球菌、1歳以上の子供の場合は髄膜炎菌が主な原因となっていることが多いようです。成人の場合は、肺炎球菌が主な原因となっています。
その他にも、ブドウ球菌やグラム陰性菌などが原因で細菌性髄膜炎が引き起こされることがあります。
細菌性髄膜炎の治療
細菌性髄膜炎は重症化しやすいため、早期発見をして早急に治療を行わなければなりません。
治療を始める前に、脳脊髄液を調べ、原因となっている細菌を見極めます。原因菌が判明したら、その原因菌に効果のある抗生物質を使用して治療をします。
病院受診の目安
髄膜炎が疑われた場合は、すぐに病院を受診することが大切です。
特に細菌性髄膜炎は、早急に治療を行わなければ重症化してしまいます。その結果として後遺症が残ってしまうことも少なくありません。
ですので、高熱や吐き気、項部硬直といった症状が見られたら、至急病院を受診しましょう。
まとめ
脳脊髄膜が炎症を起こす髄膜炎。その症状と治療方法は?
髄膜炎とは
無菌性髄膜炎の症状と原因
無菌性髄膜炎の治療
細菌性髄膜炎の症状と原因
細菌性髄膜炎の治療
病院受診の目安