溶連菌 とは 身近なところにふつうにいる細菌です。ところがこの細菌がからだの中に常在するようになると、からだのあちらこちらに感染症を引き起こすことがあります。
抵抗力が落ちたときなどに、炎症を起こして大きな合併症を引き起こすことがあり注意が必要です。
溶連菌の感染とは 油断できない病気との関連性について
- 目次 -
溶連菌とは
ごく身近なところにふつうにいる細菌のひとつに、溶血連鎖球菌(溶連菌)があります。この細菌はごくふつうに人間の周囲にもいます。
健康な場合にはあまり感染しませんが、抵抗力が低下した時などに感染し、そのままからだのあちらこちらにいついてしまうことがあります。
溶連菌感染の治療
溶連菌に感染しますと、ペニシリンなどの抗菌剤が有効といわれています。しかしなかにはしぶとくからだに残ってしまうことがあります。
また抗菌剤の治療が不十分な場合などでも残ってしまうことがあります。こうした溶連菌は、ふたたびからだの抵抗力が低下したときに、溶連菌感染症を引き起こすことが知られています。
子供と溶連菌感染
たとえば子供の場合にはのどの扁桃のなかに感染して扁桃炎をよくひきおこします。扁桃部分やその周囲が腫れ(扁桃周囲炎)、高い熱を出すことがあります。これを繰り返すことがあります。
扁桃の腫れは溶連菌以外の細菌やウイルスなども引き起こします。その点の注意が必要です。
また子供に多い、中耳炎や副鼻腔炎(蓄膿症)も溶連菌によって起こることがあります。こうした病気も繰り返すことが知られています。
まだまだある溶連菌による病気
皮膚に溶連菌が感染するときには、いわゆるとびひが有名です。正式には伝染性膿痂疹(のうかしん)といいます。これはとても感染しやすく、膿を他の場所につけると感染してしまいます。人にもうつります。
もとは小さなきずをかきむしったり、いじったりして、溶連菌や黄色ブドウ球菌などの細菌感染によって起こります。
溶連菌感染症(しょう紅熱)は合併症に注意
また溶連菌感染症で、のどの扁桃が腫れて首や胸などに発疹が出はじめたあとに、舌に白い苔のような舌苔(ぜったい)ができ、そのあとにイチゴ舌になることがあります。むかしはこの病気をしょう紅熱と呼んでいました。いまでも法定伝染病のひとつです。
こうした溶連菌感染症には、重い合併症がみられることがあります。急性腎炎やリウマチ熱です。これらは治療に長い期間が必要な病気です。しかも十分な治療をおこなわないと、慢性腎炎となってしまうことがあります。
溶連菌感染でもっとも気をつけたい腎臓病
これは扁桃炎を繰り返すことでも同じです。慢性腎炎(慢性腎臓病)になりますと、腎臓はもはや回復は望めなくなり、一部の機能が失われたままになってしまいます。
そうならないために子どものうちに扁桃炎を繰り返しがちな場合には、扁桃を切除する手術を行うことがあります。これによって溶連菌の重篤な合併症が起こることを未然に防ぐことが可能です。
溶連菌感染を軽くみない
大人になってからこの扁桃の切除手術を受けることはリスクが高くなります。扁桃炎を繰り返す場合にはぜひ子供のうちに全治させたいものです。
慢性腎臓病になってしまうと運動の制限や、食事などの制限などさまざまな生活上の制限を受けることにつながってしまいがちです。いったん慢性腎臓病になってしまうと、なかには進行してしまって腎臓の機能を失ってしまうことにもなりかねません。
溶連菌感染を知るには
溶連菌に感染しているかどうかは血液検査でわかります。ASOという項目がそれにあたります。溶連菌感染による体内の抗体がどれだけできているかを示す数値です。
つまりそれだけ体の中に溶連菌に感染した場所があれば、防御のための抗体もたくさんつくられることになります。どの程度感染しているかが数値でわかります。
連菌感染の対策法で守りたいこと
とくに溶連菌に感染した場合に用いる抗菌剤を投薬された場合には、飲みきってしまうことがたいせつです。服薬の途中で具合がよくなったからと、服用を途中で打ち切ることは、耐性菌などをからだのなかに生じてしまうことにつながります。
するとその耐性菌や残った細菌などによって、ふたたび感染症の症状を繰り返してしまい、重い合併症をひきおこしてしまうことにつながりかねません。
これは溶連菌の感染においてもっとも注意したいことといえます。
まとめ
溶連菌の感染とは 油断できない病気との関連性について
溶連菌とは
溶連菌感染の治療
子供と溶連菌感染
まだまだある溶連菌による病気
溶連菌感染症(しょう紅熱)は合併症に注意
溶連菌感染でもっとも気をつけたい腎臓病
溶連菌感染を軽くみない
溶連菌感染を知るには