咽頭や扁桃などの喉に感染する病原体にはいろいろなウイルスや細菌があり、細菌では溶連菌が代表的です。
感染症にはそれぞれの病気によって 出席停止 となる期間が定められていますが、 溶連菌 感染症の場合はどのようなタイミングで登園・登校を再開することができるのでしょうか。
溶連菌感染症の出席停止期間は決まっていますか
溶連菌感染症とは
溶連菌感染症とは通常、A群β-溶血性連鎖球菌に感染することによる上気道感染や化膿性皮膚感染をさします。
代表的な症状として、38~39℃の発熱・喉の痛み・イチゴ舌とよばれる舌にイチゴ状のブツブツができることなどがみられます。
溶連菌の侵入した部位によってさまざまな症状を引き起こすことがよく知られています。上気道に感染した場合には咽頭炎や扁桃炎、皮膚に感染した場合にはとびひとよばれる伝染性膿痂疹や蜂窩織炎などの原因になります。
その他にも猩紅熱(しょうこうねつ)、丹毒(たんどく)、中耳炎、肺炎などの原因になることもあります。
溶連菌感染症による出席停止期間
溶連菌感染症は学校保健安全法では第三種の感染症と分類されています。明確な出席停止期間は定められておらず、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」とされています。
基本的に医療機関を受診した日とその翌日は登園・登校することができません。
有効な抗生物質が非常に効きますので、服用後24時間の経過で感染力そのもは、ほとんどなくなると言われています。ちょうどその頃には解熱することも多いので、全身状態をみて登園・登校が可能になります。
ただし、発熱と同時に発疹が出た場合には、発疹が消えるまで安静にしていることが望ましいとされています。保育園などでも発疹のある間は別室での保育となるところがあります。
それぞれの園によって対応も違ってきますので、溶連菌感染症であることが判明した時点で確認しておくとよいでしょう。
流行を防ぐために休むというより、発熱や喉の痛みなどの患者となった子供の全身状態をよく見て登園・登校の再開のタイミングを考えることが大切です。
溶連菌感染症の完治の判断
上述したように溶連菌感染症は抗生物質によって比較的早く感染力を失いますが、合併症に注意すべき病気です。
解熱後も溶連菌が残っていると再発したり、心臓弁膜に障害を残すことのあるリウマチ熱や血尿・タンパク尿・高血圧などの症状の出る急性糸球体腎炎、命に関わるような肺炎などの合併症を引き起こすことがあります。
処方された薬は最後まできちんと服用させることが大切です。症状が治まっても、素人判断で服薬を中止することは慎むべきです。
溶連菌感染症が完治したかどうかの判断は、発症してから2~3週間後の尿検査を待たなければなりません。
溶連菌感染症を防ぐには
ワクチンのない溶連菌感染症は予防接種を受けるということができません。毎年流行のピークとされる12~3月と7~9月には特に飛沫感染をしないように注意しましょう。
また、他の感染症と同様にうがいと手洗いの励行やマスクの着用も有効です。
子供がかかることの多い病気ですが、大人にもうつることがあります。家庭内二次感染を防ぐには食器やタオルなどの共用はやめましょう。また、患者となった子供は別室で過ごすことが理想的であると考えられています。
溶連菌は食物の中でも増殖すると考えられています。飛沫が食物にかからないように留意してください。
ドアノブや手すりなど人が触ることの多いところは、こまめに消毒するようにするとよいでしょう。子供が共用するおもちゃや本などは子供が舐めても安全な薬剤を使って除菌するように心がけましょう。
溶連菌は種類が多いために流行の度に違う型の溶連菌に感染してしまうというようなこともありますが、規則正しい生活とバランスのよい食生活によって免疫力を高めておくことも非常に大切になってきます。
まとめ
溶連菌感染症の出席停止期間は決まっていますか
溶連菌感染症のとは
溶連菌感染症による出席停止期間
溶連菌感染症の完治の判断
溶連菌感染症を防ぐには