お子さんがいるご家庭では、溶連菌という病気を一度は耳にした事があるのではないでしょうか。毎年、保育園や小学校で集団感染しやすい病気の一つです。
この 溶連菌 は初期症状のうちに 薬 で退治しないと、合併症を患わせるちょっと厄介な細菌なのです。ご存知でしたか。では、合併症を防をぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
溶連菌をしっかりと退治する薬とは
溶連菌とは
溶連菌は春と秋から冬にかけての年2回、子供が発症する率が高い感染症です。保育園や学校など集団生活の場での感染が多く見られます。
正式にはA群β溶血性連鎖球菌と呼ばれています。名前は難しいですが、色々な感染症でよく見つかるごく一般的な細菌です。
溶連菌は通常の風邪ウィルスに比べ、咽頭炎や扁桃炎のように咽頭部の症状が強く現れるのが特徴的です。
溶連菌判断と治療方法
溶連菌の判断基準は38~39度の高熱とのどの痛みが代表的ですが、中には発熱とともに特有の発疹が出る子もいます。赤くこまかい発疹で体全体が真っ赤になります。わきの下や足の付け根などの皮膚がやわらかい場所に多く出る事があり、解熱とともに発疹部分の皮膚がボロボロとはがれ落ちます。
また、舌にもブツブツとした発疹が出て、通称『イチゴ舌』といわれる状態になる子どももいます。
このような症状が見られた場合は溶連菌を疑い、のどについた細菌を採取し、検査します。10分程度で結果がでます。
溶連菌の感染が判明した際は、解熱剤やのどの痛みを緩和する薬と抗生剤が処方されます。この抗生剤は溶連菌を退治するとても重要な薬になります。
溶連菌に処方される抗生剤の種類と役割
溶連菌は発症時に細菌を薬で完全に除菌しなければなりません。細菌を体内で長期間保有してしまうとリウマチ熱や腎炎(急性私糸球体腎炎)、血管性紫斑病などの合併症を引き起こす可能性があります。
溶連菌を除菌するために用いられる薬が抗生剤です。一般的には下記の3種類が主要な抗生剤と言われています。
ペニシリン系抗生剤
薬名:ビクシリン、サワシリン、アモリン、パセトシンなど
特徴:最も古くから感染症に使われている薬です。副作用は少ないですが、薬による発疹アレルギー症状を起こした事がある人は服用しない方が良いでしょう。1日3回 10日間の服用が必須です。
セフェム系抗生剤
薬名:ケフレックス、ケフラール、セフゾン、フロモックス、メイアクトなど
特徴:抗菌スペクトルが広く、適応できる症状が多いため軽い感染症に 用いられる事が多い薬です。副作用も少ないです。
ぺニシリン系薬よりも除菌率が高いことから、投薬日数を減らすことが出来ます。1日2回 5日間の服用が必須です。
マクロライド製剤
薬名:エリスロシン、クラリス、クラリシッド、ルリッド、ジスロマックなど
特徴:ペニシリン系、セフェム系抗生剤が効かない病気に有効で、アレルギー体質の人に用いられる事が多いです。薬の吸収がよく持続時間が長いですが、薬の飲み合わせに注意しなければなりません。
上記のように抗生剤も多種多様あり、それぞれ特徴も違いますが最近利用者が増えているジェネリック医薬品(後発医薬品)への変更も可能です。
溶連菌を確実に除菌するためには、医師からの指示通りの投薬量と日数をきちんと守り、服用する事が大切です。
お子さんの場合、細菌やウィルスなどに対する抵抗力がまだ弱いですから様々な病気にかかりやすいです。ですから、お薬手帳は必ず持参してアレルギー情報などを明確にし、お子さんにあった抗生剤を処方してもらいましょう。
抗生剤の種類の中には苦味があるものもあります。その苦味で飲む事を拒絶するお子さんも少なくありません。牛乳や練乳と混ぜたり、プリンなどの甘くて口当たりの良いものと混ぜる・・・など薬剤師さんがお子さんの年齢にあった服用方法を教えてくれます。最後まで、抗生剤を飲みきれるように工夫をしてあげてください。
溶連菌は薬をしっかり飲めれば、さほどこわくない病気です。
まとめ
溶連菌をしっかりと退治する薬とは
溶連菌とは
溶連菌判断と治療方法
溶連菌に処方される抗生剤の種類と役割