溶連菌感染症は保育園や幼稚園などの集団生活の場で常に感染が繰り返され、流行が長く続くために罹るお子さんが多いものです。また、溶連菌の種類はひとつではないと言います。どのように溶連菌に感染するのでしょうか。
溶連菌 感染症の 原因 となる経路についてご紹介いたします。
原因となる経路を知って合併症の危険な溶連菌感染症を防ごう
溶連菌感染症とは
溶連菌による主な病気は咽頭炎や扁桃炎ととびひで、2~3才から小学生くらいの子供に好発します。冬に多くみられますが、夏に全くないということはなく、通年にわたってみられる病気だと考えてよいでしょう。
2~3日の潜伏期間を経て、発熱・喉の痛みなどがみられます。発病1~2日目では喉が真っ赤に腫れあがり、喉の痛みを訴えることが多いです。また、顔も含む全身にかゆみを伴う赤い発疹がみられます。
発病2~4日目にはイチゴのようなブツブツとした舌になります。
上述した症状が消えた後に、手や足の指の先から皮膚がむけることがあります。
溶連菌感染症は喉・舌・発疹などの症状が非常に特徴的なので、診断がつきやすいと言われていますが、喉の粘膜を綿棒でこすり取って検査をすることで容易に確定診断が下されます。
溶連菌感染症の原因となる経路とは
溶連菌感染症の原因となる溶連菌は正しくはA群β-溶血性連鎖球菌という細菌です。上述のように通年でみられますが、特に12~3月と7~9月に流行のピークがあると言われています。
溶連菌は喉や鼻の粘膜や扁桃腺などに付着しやすい細菌で、感染力が強いので集団生活の中で感染してしまうことが多いのです。
溶連菌の感染原因のほとんどは、くしゃみや咳などの飛沫感染であると言われています。そのために集団感染も発生してしまうと考えられています。マスクの着用や冬期などどうしても部屋の換気を怠りがちな時期には空気の入れ替えに配慮することが大切になってきます。
溶連菌感染症の原因となるA群β-溶血性連鎖球菌は食品中でも増殖すると言われています。咳や唾液を直接吸い込む飛沫感染だけでなく、飛沫が食品などにかからないようにする配慮も必要になってきます。
人が触ることの多い物からの接触感染も原因のひとつです。ドアノブや手すり、共用するおもちゃや本などを適宜消毒するとともに、徹底した手洗いが大切になってきます。幼い子供が舐めても危険性のない除菌剤を上手に使用しましょう。
免疫力の低い子供時代には溶連菌感染症にかかりやすいものです。
大人に比べると、うがいや手洗いなどの予防行為がきちんとできないだけでなく、溶連菌は一種類ではなく、さまざまな種類があるために、感染が一度ではすまない場合があることが子供の溶連菌感染症患者数を多くしているという側面もあります。
溶連菌感染症で注意すること
溶連菌感染症にはペニシリン系の抗菌薬が有効です。抗菌薬を服用すると2~3日で症状が治まってきます。ところが、溶連菌を完全になくするには抗菌薬を最低でも10日間服用する必要があると言います。
素人判断で薬の服用を中止してしまうと合併症を引き起こしてしまうこようなこともありますので注意が必要です。
溶連菌感染症の治療の目的はリウマチ熱・急性糸球体腎炎・肺炎などの合併症を予防することにあると言っても過言ではありません。
全身に炎症が起こるリウマチ熱のほぼ半数には心炎もみられ、きちんとした治療を受けないと心臓の弁に障害が残る場合があります。
腎臓の糸球体に炎症が起こる急性糸球体腎炎では血尿やタンパク尿、高血圧などの症状が出ます。
溶連菌が肺に感染して起こる肺炎は重症化して命に関わるような場合さえあると言います。
上述のような合併症を防ぐには、溶連菌感染症という診断を受けて処方された薬は、たとえ症状が治まっても、最後まで医師の指示通りに服用することが肝要になってきます。
まとめ
原因となる経路を知って合併症の危険な溶連菌感染症を防ごう
溶連菌感染症とは
溶連菌感染症の原因となる経路とは
溶連菌感染症で注意すること