溶連菌 という言葉や病気は聞いたことがあったり、何となく知っていますよね?けれど、どんな病気か?どのような症状が出るのか?かかった時の注意事項などをしっかり把握している人は意外と少ないと思います。
きちんと治しておかないと合併症を引き起こす溶連菌感染症、風邪とは似ても似つきませんので、特徴をしっかり把握しておきましょう。
溶連菌って何?しっかり治さないと怖い溶連菌感染症
風邪と似ている!?溶連菌感染症の症状とは
「のどが痛くなる子どもの病気」と聞いた時に、最初に思い浮かべるのが「風邪」だと思います。溶連菌感染症にかかると、発熱やのどの痛みが出てきます。ここだけみると「風邪だろう」と判断してしまいますよね。風邪と判断した場合、いくら病院のお薬を飲んでも病状は回復しません。
溶連菌は検査することでしか判断できません。と言っても、検査自体は5~10分で結果がでますので、風邪のような症状やのどの痛みに加えて発熱が3日以上続く場合は、一緒に溶連菌の検査も受けておきましょう。
また、一目で溶連菌とわかるものに「イチゴ舌」という症状があります。子どもに下を“べぇ~”と出してもらって確認しましょう。いつもと違って、舌にイチゴのようなつぶつぶができていれば、溶連菌に感染しています。その他の症状として、手足や体に小さくて赤い発疹が出たりすることがあります。
手足に発疹と聞くと、つい「手足口病かな?」と思いますが、こちらの発疹の特徴は米粒型になりますので見分けやすいと思います。発疹だけが出ることはありませんので、喉の痛みや発熱とともに発疹が出た場合は溶連菌を疑った方が賢明です。
風邪の症状とよく似ている溶連菌感染症ですが、風邪と違って咳や鼻水が出ないことが一番の特徴かもしれません。
市販の薬では効果なし!最後まで抗生物質の服用すること
結論から申し上げます。溶連菌は「感染症」ですので、風邪薬や市販の薬では効果が全くありません。病院で検査をしてもらって、反応が出た場合は抗生物質が処方されますのでそのお薬をきちんと最後まで飲み切って下さい!
服用期間は長くて14日間に及ぶこともありますが、症状が消えたからと言って勝手に服用をやめないで下さいね。また、これも勘違いしやすいのですが、この病気は“登園停止・出席停止”扱いになります。感染力が強い上に飛沫感染や接触感染でうつります。
しかも、免疫ができる病気ではないのでくりかえし感染する場合だってあります。登校することに医師の許可はいりませんが、病院で処方されたお薬を忘れずに飲むことがとても大事です。
抗生物質服用後24時間で感染力はほとんどなくなりますので、お薬が効いて熱が下がり、全身状態はよくなれば登園・登校可能です。とはいえ、お薬が効くまでに24時間かかりますので、受診した当日と次の日は登園・登校・出社は控えるようにしましょう。
また、学校関連にはきちんと“溶連菌感染症”であることは報告して下さい。
溶連菌が引き起こす怖い合併症には何があるのか?
溶連菌感染症は、症状自体はそこまで深刻なものではないため、軽く考えられがちになります。けれど、しっかり菌を全滅させておかないと恐ろしい合併症を引き起こすことがあります。
この病気で気をつけておきたいことは腎炎やリウマチ熱などの慢性疾患に移行しないようにすることです。何度もくりかえしますが、処方された抗生物質をしっかりと飲み切り、十分な栄養と睡眠をとりましょう。
それから、もう1つ気をつけておいてほしいことがあります。もし、お子さんがアトピー性皮膚炎を持っている場合、アトピーが出ているところに溶連菌が入り込むことがあります。こうなるとアトピーが重症化してしまうことがありますので注意が必要です。
接触・飛沫感染などをなるべく防ぐためには、こまめなうがい・手洗いに加えて咳エチケット(くしゃみや咳をする際に、ハンカチ等で口元を覆う。または、マスクをつけるようにする)を日常的にクセづけることも大切な予防の一つとなります。
まとめ
溶連菌って何?しっかり治さないと怖い溶連菌感染症
風邪と似ている!?溶連菌感染症の症状とは
市販の薬では効果なし!最後まで抗生物質の服用すること
溶連菌が引き起こす怖い合併症には何があるのか?