子供ののど風邪の9割はウイルス感染症ですが、細菌であるようれんきんも原因の一つです。 ようれんきん は、免疫力が弱い子供がかかると重症化し、怖い合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。
子供ののどの病気 ようれんきん感染症ってどんな病気?
ようれんきんとは
ようれんきんは正式には、溶血性連鎖球菌と呼ばれるグラム陽性球菌です。少し難しい話になりますが、血液寒天培地における培養の特徴から主にα溶血性とβ溶血性に分けられ、後者でヒトに対して病原性を持つものはランスフィールド分類法におけるA群、B群、C群、G群などです。
この中でも、ようれんきん感染症の9割以上がA群によるものであることから、一般的にようれんきん感染症というと「A群β溶血性レンサ球菌」による感染症のことを指しています。このようれんきんは、多くの化膿性疾患を引き起こすことから、「化膿レンサ球菌」とも言われます。
ようれんきん感染症ってどんな病気
レンサ球菌の中でも最も重要なのが、A群β溶血性レンサ球菌であり、のど・鼻・耳に感染して咽頭炎や扁桃周囲膿瘍、中耳炎、副鼻腔炎、また、皮膚に感染すると化膿性蜂窩織炎などを引き起こします。
重篤なものには、菌の産生する毒素による毒素性ショック症候群、菌血症、壊死性筋膜炎などの全身性疾患があります。
また、合併症としては、心臓の弁に障害をおこすリウマチ熱や、血尿や浮腫の原因となる糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)、全身の皮膚に赤い発疹が現れる猩紅熱(しょうこうねつ)などがあり、いずれも重大な合併症です。
感染経路とは
感染経路は飛沫感染で、ようれんきんにかかった人の咳やくしゃみのしぶきによって感染します。また、細菌を触った手から口を通じて感染する、経口感染もあります。
ヒトの皮膚や粘膜にも常在する菌で、学校および保育園、幼稚園など集団生活をおこなうヒトの間で広く保菌していることがわかっています。
急性期が最も感染力が強く、急性期における兄弟間での感染率は25%と報告されています。5~15歳の小児に最も多くみられますが、免疫力が低下した大人や妊婦にも感染することもあり、注意が必要です。
予防
手洗いうがいをしっかり行うことが大事です。飛沫感染を予防するために、マスクを着用することも有効です。予防接種はありません。
家族間での感染率が高いため、家族がようれんきん感染症にかかってしまった場合、同じ食器を使用するのは避けましょう。
症状とは
ようれんきん感染症の主な症状は、38~39度の高熱、のどの痛み、頭痛、リンパの腫れ、手足や身体の小さくて赤い発疹です。のどが赤くなり、舌がイチゴのように赤くブツブツに見えることから「イチゴ舌」と言われる所見を認めることもあります。3歳未満では、熱が上がらないこともあります。
風邪と違う点は、咳や鼻水がほとんどないことですが、ウイルス感染と一緒に発症することもあります(混合感染)。急性期を過ぎると、熱が下がり、発疹のあとの皮がむけて(落屑)きます。
検査とは
年齢や身体所見などから、ようれんきん感染が疑われる場合は、のどについたようれんきんを綿棒でこすって迅速検査をおこなうことがあります。10分以内に検査結果がでるため、その日のうちにようれんきんかどうかがわかります。
服用期間をしっかり守ることが大事
ようれんきん感染症とわかれば、痛みや熱を改善するための解熱鎮痛薬と一緒に、抗生剤が処方されます。抗生剤の種類にもよりますが、一般的に10~14日間程度処方されます。
お薬を飲み始めて2~3日すると、熱が下がりのどの痛みが治まってきますが、まだようれんきんは身体に残っている状態なので安心してはいけません。重篤な合併症を引き起こさないためにも、抗生剤は処方された分をしっかり飲みきることが大事です。
ようれんきん感染症にかかってしまったら いつから登校・通園できる?
ようれんきん感染症は、学校保健安全法で第三種に指定していされており、病院を受診した日とその翌日は登校・通園はできません。
抗生物質を内服してから24時間経過すると、感染力がほとんどなくなり、2~3日で解熱するため、発疹が消えて全身状態が改善すれば登校・通園が可能です。
まとめ
子供ののどの病気 ようれんきん感染症ってどんな病気?
ようれんきんとは
ようれんきん感染症ってどんな病気
感染経路とは
予防
症状とは