予防接種 を受けた後に子どもに発熱や発赤といった 副作用 があらわれるのはよくあることです。
副作用にはどのようなものがあり、どうすればいいかを学んでおくことで、実際に副作用があらわれたときにも落ち着いて対処できるようになります。
予防接種後の副作用とはどのようなもの?
予防接種の副作用
予防接種は、病気に対する免疫を体内で作るために、弱毒化したウイルスや細菌に似たたんぱく質などをあえて体に取り込んで、病気に感染しているような状態を引き起こすものです。
これらの病原体がはじめて体の中に入ると、まず免疫が作られ、その後に同じ病気に感染しても、発症したり重症化したりするのを抑えられるようになります。
ですが、いくら弱毒化したとしても、体は異物であると判断するため、予防接種後に体になんらかの反応がみられることがあります。これが副反応で、一般的には副作用ともいいます。
注射した部位が赤くなって腫れたり、硬くなったりする副反応は比較的、多くの子どもにみられる症状です。また、発熱やけいれんなどが起こることもあります。ごくまれですが、脳症、アナフィラキシーショックといった重症の副反応がみられることもあります。
予防注射を受けた後に気をつけること
予防接種後には、万が一、重い副反応があらわれてもすぐに対処できるようにしておく必要があります。多くの小児科では、予防接種を受けた際には、接種を行った病院内で30分ほど安静にしているように指示されます。
どうしても、すぐに帰宅する必要があるときは、予防接種をした部位をよく観察し、副反応と思われる症状があらわれたら、すぐに接種を受けた病院に連絡ができるようにしておきます。
予防接種は種類によっても副反応があらわれる時期が異なります。生ワクチンでの予防接種のときは、接種からおおよそ3週間以内に副反応があらわれます。不活化ワクチンでの予防接種のときは、接種から24時間以内に副反応があらわれるといわれています。
ひどい発熱などがみられなければ、予防接種をした日でも入浴することができます。以前は、入浴させない方がよいという見解が示されていたときもありましたが、衛生的に入浴できるようになった現代では、あまり問題にならなくなりました。
入浴すると血行がよくなってかゆみを感じることがあります。小さな子どもや赤ちゃんが接種部位をかかないように注意する必要があります。
また、幼稚園以上の子どもでは、予防接種をした後に活動することもよくあります。ですが、予防接種当日は、あまり激しい運動をさせないよう気をつけましょう。
発赤と腫れはもっともよくあらわれる副反応
予防接種をしたところが赤くなったり、腫れたりすることはワクチンの種類を問わず、よくあることです。
局所反応として接種箇所が赤くなることが多いのは、四種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの混合ワクチン)ですが、すこし赤くなる程度なら、治療をすることはありません。腫れは自然にひいていきます。
ひどい副反応として腫れがひじを超えることがありますが、そうした場合は、腫れをひかせる薬などを使用して対処します。回数を追うごとに腫れがみられることが多くなります。
ひどく腫れていると思われるときは、予防接種を受けた小児科で相談してみるようにしましょう。
副反応で発熱があらわれることもある
発熱も副反応としてあらわれることの多い症状です。とくに、麻しん(はしか)の予防注射では発熱が副反応としてあらわれる子どもが約2割います。症状は強く出ることはあまりないので、心配しすぎる必要はないでしょう。
普段だったら副反応があらわれない子どもでも、体調が悪かったり、予防接種の種類によって体質に合わなかったりすると発熱がみられることがあります。
予防接種後の発熱は多くの場合、あまり心配の必要がありませんが、熱があがっていったり、ほかの症状があらわれたりしていないか、注意深く観察してあげるようにしましょう。
副反応があらわれたら
予防接種を受けたあとに、副反応と思われる症状があらわれた場合、症状の程度によってどのように対処するかが変わってきます。
けいれんやアナフィラキシーショックといった重篤な副反応があらわれたら、すぐに予防接種を受けた病院に連絡するようにします。時間外などで小児科に連絡がとれないときは、小児救急電話相談(#8000)に電話をかけて、相談するようにしましょう。
微熱程度の発熱では、脱水にならないようこまめに母乳やミルク、子ども用イオン水などを与えて、様子をみます。
通常、1日から2日程度で副反応は消えていくことが多いといわれています。3、4日を過ぎても、発熱やひどい腫れが収まらないときは、予防接種を受けた病院に相談してみましょう。
まとめ
予防接種後の副作用とはどのようなもの?
予防接種の副作用
予防注射を受けた後に気をつけること
発赤と腫れはもっともよくあらわれる副反応
副反応で発熱があらわれることもある
副反応があらわれたら