夜尿症は、小学生になっても毎晩続いている、尿の量が多い、一度はしなくなったのに再発してしまった、のような場合に治療を必要とします。
薬物療法、生活改善などの治療がありますが、子どもの体は未発達な為、体内の機能を成長と合わせて強くして 夜尿症 を改善する方法としては、 漢方 薬が使われています。
夜尿症の体質を改善する漢方
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夜尿症を引き起こす子どもの「未発達」
夜尿症で悩む子どもの体格や体質はさまざまです。子どもの夜尿症の原因は、「未発達」ということなのですが、だからといって全てが小さめである、虚弱そうとは限りません。一見しっかりとした体格の子どもでも、夜尿症に心を痛めている場合もあります。
漢方では、大きくは5つのタイプにわけられ、夜尿症を引き起こす原因に合わせた効能で、漢方薬を選びます。正常な排尿には、体の幾つかの器官と機能と神経伝達がバランスよく整うことが肝心で、原因を正確に把握できないと、改善されない、場合によってはひどくなることもあります。
また、夜尿症にはストレスや緊張なども深く関係しているといわれます。失敗をとがめたり、あまり深く追求すると、本人を追い詰めることになり改善が遅れるといわれています。
ですが、毎日の後始末は楽なことではありませんから、ついつい小言を言ってしまうことも仕方ないかもしれません。そんな時のお母さんには、【抑肝散】を飲んでみるのもよいかもしれません。神経の高ぶりやイライラを抑えて、心と体の状態を良くしてくれる漢方薬があります。
虚弱・筋肉のしまりが弱い体質には・・・【小建中湯】
体全体の筋肉が弱め、体力が乏しく活発ではない、疲れやすい、胃腸働きが不十分で下痢や便秘が多い、食も細い、風邪をひきやすい、アレルギー症状がある、1回の尿の量が多かったり回数が多い、などの子どもに多く使われます。体力を付け体を丈夫にする漢方です。
桂枝湯とさほど成分は変わらず、甘くして飲み易くした物です。
また、虚弱であり神経質で寝入ってすぐに夜尿するタイプには、【柴胡桂枝湯】を使われる場合もあります。
しっかりとした体格、夜尿に気づかない・・・【葛根湯】【麻黄湯】
体力も十分に備わり、丈夫で活発な体つきのため、一見発達が良さそうだけれども夜尿がある子どもに使われます。夜尿の症状としては、尿の量が多い、尿意で目を覚ますことがない、漏らしてしまった後の不快感にも目を覚まさず朝まで熟睡しているといった状態です。
このようなタイプには、発汗作用があり、体の熱や腫れを発散して治す漢方が使われます。この漢方薬は、体力が十分でない場合には不向きです。
さらに、咳が気になるといった症状をもつ子どもには、麻杏甘石湯も有効です。
のどが渇きやすく、水分摂取が多い・・・【白虎加人参湯】
このタイプも、夜尿に気づかない、寝ぼけることがある、尿の量が多いという症状が見受けられます。この漢方薬は、体の熱を冷まし、のどの渇きを癒すことで水分量を調節する目的で使われます。
手足が冷たい、腰が冷える体質には・・・【苓姜朮甘湯】
手足や腰など下半身の冷えが強く、尿の回数や量が多い場合に使われます。体を温め、冷えからくる下半身の痛みを和らげる漢方です。体力のあまりない人に向いています。
膀胱が発達できていない・・・【六味丸】
胃腸は丈夫で、特に体つきもそれほど小さい弱めではないけれど、夜尿がある場合に使われます。この漢方薬は、体の弱った機能を元気にしてくれる効果があります。
特に、足腰や泌尿器などの下半身に効果が高い漢方薬です。似たもので八味丸がありますが、子どもには成分が強すぎる場合があるので、大人や大きく成長した子どもに使われます。
まとめ
夜尿症を体質から改善する漢方
夜尿症を引き起こす子どもの「未発達」
虚弱・筋肉のしまりが弱い体質には・・・【小建中湯】
しっかりとした体格、夜尿に気づかない・・・【葛根湯】【麻黄湯】
のどが渇きやすく、水分摂取が多い・・・【白虎加人参湯】
手足が冷たい、腰が冷える体質には・・・【苓姜朮甘湯】
膀胱が発達できていない・・・【六味丸】