ストレス社会と呼ばれる現代社会において、大人ばかりでなく子供もさまざまなストレスにさらされているものです。その結果、子供の鬱病も増加してきていると言います。子供の場合、どのように鬱病診断をされるのでしょうか。
子供の 鬱病診断 についてご紹介いたします。
大人だけではない子供にも急増している鬱病診断
子供の鬱病
ある調査によると、小学生の7.8%、中学生の22.8%が高い抑鬱状態を示していると言います。大人の病気だと思われてきた鬱病ですが、小中学生にも決して珍しい病気ではなくなってきているのです。
大人の鬱病の症状としてまず思い浮かぶのは、激しい落ち込みやマイナス思考などに代表される抑うつ状態や意欲の喪失や自殺願望などの精神的な症状です。
一方、子供の鬱病では、落ち着きがない、意味のない行動を繰り返すといった行動面や、食欲がない、体重が減少したなどの身体的な症状に出てくることが多いのが特徴的です。
これは、言葉で自分の抑うつ感を表現することができないので、行動や身体面に出てくると考えられています。
初期の症状の出方は違うものの、子供の鬱病も大人と同様に、脳内の感情を調節する神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどの減少によって発症するというメカニズムには変わりありません。
これらの神経伝達物質の減少や受け渡しの異常によって、感情のコントロールがうまくいかなくなってしまうのです。
子供の場合も過度のストレスや環境の変化などが鬱病の発症のきっかけになることは大人と変わらないと言います。
子供の鬱病診断
うつ病の判断は難しいものです。家庭での様子だけではなく、学校での様子や友人関係なども判断の目安に加味する必要があります。
学校に行くのがつらい、今まで楽しかったことが苦しく感じられる、朝起きられないなどということが2週間以上続いていれば、医療機関を受診した方がよいでしょう。学童期であれば小児科を、思春期以降は精神科がよいでしょう。
診断はまず、子供の症状が鬱病によるものか、その他の病気によるものかの判別から始まります。
鬱病は診断の難しい病気だと言われています。躁鬱病や発達障害などでも鬱病と同じような症状を示すことがあるのです。そのために医師は1度の問診で診断を下すことがないかもしれません。
医師は子供への問診によって、鬱の背景に何があるのかを見極めようとします。体や心がどうつらいのか、何か悩みがあるかなどを問われることになるでしょう。付き添いの保護者は質問に対してできるだけ本人に応えさせるという心構えをもつことが大切です。
子供は自分の抑うつ的な精神状態をうまく言葉で表現できないことが多いものです。保護者は母子手帳などを持参して、現在の症状だけではなく、病歴や成育歴などを的確に医師に伝えるようにしなければなりません。
問診や保護者への聞き取りの後、「簡易抑うつ症状尺度」などを用いてうつ度を測定する場合もあることと思います。
これは、睡眠、食欲・体重、精神運動状態に関する設問に答えていくことで簡易的にうつ度をチェックできるものです。自分で記入して鬱病の重症度を測ることができるだけでなく、アメリカ精神医学会の診断基準に対応しているという特徴をもっています。
「簡易抑うつ症状尺度」は睡眠に関する項目(1~4)、食欲・体重に関する項目(6~9)、精神運動状態に関する項目(15と16)はそれぞれの項目で最も点数が高い物を1つだけ選んで、点数化します。
それ以外の項目はそれぞれの点数を書き出して、合計点で鬱病の重症度を評価するものです。
診断後の流れ
上述したように子供の場合、1回の問診で診断が下るということは稀なようです。問診を重ねていく中で、鬱病であることがわかれば治療が開始されます。原因が特定できない段階でも症状のつらさをやわらげるための薬や精神療法を開始する場合もあります。
まとめ
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子供の鬱病診断
診断後の流れ