近年ではメディアの報道などもあって、うつ病の認知度もかつてよりは高くなりましたが、じつは子供の間でもうつ病が増加傾向にあることはご存知でしょうか。そのことがよくあらわれているのが、子供の死亡原因の第2位が「自殺」という事実です。
うつ病は治療するのに時間がかかるうえ、再発の可能性も高いと言われています。
今回は子供の うつ病 を 克服 するにはどうすればいいか、ご案内します。
子供のうつ病は親子で克服しよう!
子供のうつ病は大人とはちがうの?
うつ病の原因はさまざまです。大人の場合だと、仕事や環境の変化、周囲との軋轢などが原因となることが多い傾向にあります。大人の場合は転職や、会社によっては休職などで対処できる場合がありますが、子供の場合は自身の努力で回避できないケースが多いことも特徴のひとつです。
- 家族の不和。
- 親の転勤に伴う引越し。
- 教室という狭くて複雑な社会。
- 難しくなっていく学習内容。
これらは子供が自分自身で環境を変えることができない典型的な例です。
特に、小学校・中学校への進学などの節目は環境の変化による大きなストレスが発生します。高校や大学の受験も、将来がかかった決断や行動を迫られるので、相当なストレスになるでしょう。これらも子供たちにとって避けられないストレスの原因です。
あなたのお子さまは大丈夫ですか?気になるようならここでチェック
うつ病の治療をするには早期発見が大事です。症状が重くなる前にカウンセリングを受けることが出来れば、より適切な治療ができるでしょう。
お子さまがうつ病の徴候があるかチェックできるリストをご紹介します。基本的にはお子さまご自身がチェックするのではなく、ご両親がよく様子をみて判断してください。
- 夜に眠ることができない、もしくは朝早くに目が覚めてしまう。(睡眠障害がある)
- (今までは片付いていたのに)机の上や部屋が散らかっていて片付いていない。
- 部屋に引きこもりがちになり、交友関係があまりないようだ。
- 言葉づかいが乱暴になっている。(感情を制御できていない)
- 食欲がなく、体重が落ちている。
- 忘れ物が多くなった。
- 今まで楽しんでいたことが楽しくなくなった。
- 集中力がなく、成績が下がっている。
- 頭痛や腹痛をうったえるようになった。
- 気分の浮き沈みが激しい。
- 家族との会話を避けるようになった。
- ちょっとしたことで怒るようになった。
もし上記の項目で当てはまるものが多いようだったら、心療内科や小児科でお医者さんに相談したほうがいいかもしれません。
治療には時間がかかります
うつ病の治療には時間がかかります。とくに学童期には薬の成分が強すぎて薬物療法ができませんので、十分なカウンセリングと休養が必要です。薬物療法ができる場合でも、薬だけに頼らず十分に休ませんることを心がけましょう。
また、子供たちはまだ自己診断が難しいことも多く、病状の判断はご両親が行うことになります。通常の病気と違って熱が出たり血が出たりするものではないので、判断には大変気を使うでしょう。
お子さまとしっかりコミュニケーションを取り、日頃からお子さまのSOS信号に気付けるようにしてください。
再発を防ごう!
うつ病は一度かかってしまうと再発の危険が高くなると言われています。処方された薬はしっかりと服用しましょう。また、再発のサインを見つけたらお医者さんに相談することが大事です。「前に比べると症状が軽いから…」と油断すると、また悪化する原因になります。
とくに、症状が軽くなってきたときに自己判断で薬を減らしたり止めたりするのはせっかく良くなった症状を悪化させる原因です。減薬や通院の回数を減らしたい場合は、必ずお医者さんに相談の上で行いましょう。
お子さまとの信頼関係を築くことが最善の克服方法
大人と違って、子供自身が自己判断をすることは困難です。このため、周囲の大人の協力は必要不可欠で、日頃から子供を気にかけてあげる必要があります。
まずは子供を頭ごなしに叱らないこと。子供は気分が沈んで憂鬱なとき、「頭が痛いから学校に行きたくない」と訴えるかもしれません。もちろん熱があるわけでもなく、体に異常もないので、親御さんとしては「学校をサボってはダメだ」といいたくもなるでしょう。
しかし、ここで一呼吸おいて、なぜ学校に行きたくないのか、頭が痛いとはどういうことなのか、子どもの立場になって考えてあげてください。
そうすれば、子どものストレスの真の原因を突き止めることができるかもしれませんし、今後はお子様も相談しやすくなるでしょう。もし叱っただけで終わってしまえば、「大人に相談しても何もならない」と余計にコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。
子供のうつ病治療は大人との二人三脚です。子供に合わせて、ゆっくりと声をかけながらおこないましょう。
まとめ
子供のうつ病は親子で克服しよう!
子供のうつ病は大人のとはちがうの?
あなたのお子さまは大丈夫ですか?気になるならここでチェック
治療には時間がかかります
再発を防ごう!
お子さまとの信頼関係を築くことが最善の克服方法