子供が不登校やひきこもりになった時、少し様子をみる場合もあるかもしれません。しかし、それが「鬱病」に起因する場合、早めに受診させる必要があります。 鬱病 の 原因 はまだ解明されてませんが、子供の性格により鬱病になりやすい傾向があることは知っておいた方が良いでしょう。
子供もかかる鬱病の原因、知って早めの対策を。
鬱病の要因
鬱病は大きく分けて環境的要因と身体的要因の二つの要因から起こると考えられています。
その中で子供の鬱病の環境要因としてあげられるのは、幼少期の厳しい体験がトラウマとなって起こる、家族や親しいとの別離、友人関係とのトラブルやいじめ、家庭内不和、引っ越しや転校、進学などの環境の変化などであり、身体的要因としてあげられるのは、慢性疲労、自律神経失調症や摂食障害などの病気、発達障害の二次障害、初潮を迎えた女児についてはホルモンバランスの乱れなどが要因となります。
これらのストレスがかかり続けると脳内の伝達物質のバランスが崩れ、鬱の症状があらわれると考えられています。しかしながら、原因は未解明な部分も多くあり、いまだに研究が続けられています。
真面目な子供に潜む鬱の原因
責任感が強い子供や真面目で完璧主義な子供に鬱の症状があらわれやすいと言われています。このような子供は、人間関係の環境的要因を要因として鬱病となっていく傾向があります。
クラスの人間関係でこじれたことを自分の責任にしてしまう、自分の失敗で迷惑をかけないように自分を追い込んで疲れてしまう、このような精神的なストレスが長く続くと、鬱の症状があらわれ始め、次第に学校にいけない、部屋から出られないひきこもりの状態になり、最悪の場合命を絶ってしまうことも考えられます。
こういう子供たちの特徴は、真面目で律儀で誠実、周りへの気配りを忘れない、勉強熱心、学校行事に熱心である、責任感が強い、鬱病になってもそれを隠そうとする、などがあげられます。
このような子供は一般的にメランコリー親和性のある子供といわれ、このような鬱の型をメランコリー親和型鬱病と言います。
メランコリー親和性とは、ドイツの精神学者テレンバッハが考え出した概念であり、この概念には3つの大きな柱があります。
一つ目は「ルールや秩序を重んじる、几帳面」であること、二つ目は「完璧主義、自分に厳しい」三つめは「他者には律儀で誠実、衝突や摩擦を避ける」このような性格の人の特徴をあらわしたものです。
このような性格の人がなぜ鬱になりやすいかというと、秩序を重んじるために環境変化に対応しにくい点、自分に厳しいがために自分を追い込み、気持ちに負荷をかけすぎてしまう点、完璧になんでもこなそうとするものの、人間とは本来的に最初から完璧にはなれないものだからこそ、求める自分像と現実の到達点の差が埋められず、それをストレスと感じてしまう点、周りの人間に誠実であるために、自分の感情を後回しにしてしまいがちな点、これらのことが要因となり、心の不調からやがて鬱を発症してしまいます。
優等生や、学級委員タイプ、周りに気配りのできる優しい子がある日突然不登校や教室に入れない場合などはこういった鬱の傾向を疑い、早めに受診、休養をさせましょう。
脳内物質から見る鬱病の原因
鬱病は原因が未解明のところが多いものの、近年、脳の神経伝達物質に原因があるようだということがことがわかってきました。この神経伝達物質には「セロトニン」と「ノルアドレナリン」、「ドーパミン」があり、気分や意欲などの人の感情や記憶に関わる情報の伝達をコントロールしています。
まず、セロトニンの肉体に対する働きにおいては、睡眠、体温調節などの生理機能や歩行、咀嚼、呼吸のリズム運動、消化管の運動を促し、精神面への働きにおいては、日中の覚せい状態を維持する、心のバランスをとる働きがあります。
一方、ノルアドレナリンの肉体に対する働きは、俊敏な運動を可能にし、精神的な面においては気分を高揚させる働きがあります。
また、ドーパミンの肉体に対する働きは、身体をスムーズに動かすことに働きかけ、精神面では、やる気や意欲を起こさせたり、目標達成時の満足感、興奮を作り出します。
この3種類の神経伝達物質は常にバランスを保っており、それが健康な心を維持させますが、ストレスによりこのバランスが崩れることにより、鬱病の引き金になると考えられているのです。
まとめ
子供もかかる鬱病の原因、知って早めの対策を。
鬱病の要因
真面目な子供に潜む鬱の原因
脳内物質から見る鬱病の原因