昨今、大人だけではなく子供にもうつ病が増えてきていると言います。子供のうつ病は大人と違って、身体的な 症状 を訴えることが多いと言われていますが、どのようにチェックすればよいのでしょうか。
子供の うつ病 の チェック のし方についてご紹介いたします。
受診の目安にできるうつ病の症状チェックとは
子供のうつ病の症状
「落ち込みが激しい」「マイナス思考が強い」「興味や意欲の減退」など大人のうつ病といって思い浮かぶ症状は精神的なものですが、自分の抑うつ的な感情をうまく表現できない子供は身体的な症状や行動面の変化として症状があらわれることが多いと言われています。
身体的な症状としては、「腹痛」「頭痛」「食欲減退」「体重減少」などがあげられます。うつ病に関する知見に乏しいと、身体的な不調に気づいて小児科を受診しても、うつ病を見逃されてしまうようなこともあるようです。
行動面では、「落ち着きがない」「意味のない行動を繰り返す」「行動の速度が遅くなる」などがあげられます。中には、過剰に活発になったり、攻撃的になったりするようなこともあるようです。
子供の場合は普段の状態と比較して考えてみることが大切だと言われています。
また、大人の場合にはストレスを抱え込みやすい真面目で責任感の強い性格の人がうつ病になりやすいと言われていますが、子供の場合は大人ほどは性格に左右されないとされています。
幼児期の喪失体験や不安感や怒りの感情の抑圧、不安定な養育環境などという実体験の積み重ねが子供のうつ病の誘因になると言われているのです。
子供のうつ病症状チェック
子供のうつ病をチェックする診断テストはさまざまな書籍やインターネットの情報サイトにも掲載されています。自己診断テストになっているものでも保護者が子供の状態を当てはめて答えられるようになっています。代表的なものをご紹介いたします。
まず、最近2週間の抑うつ的な気分について問われます。「毎日、1日中気持ちが落ち込んでいるか」「1日中、何をしてもつまらないか」という問いに「はい」・「いいえ」で答えます。
次いでその他の症状が以前はなかったにもかかわらず、毎日のようにあるかどうかを問われます。
「不眠又は過眠」「食欲の減退または亢進」「動きが鈍くなってきている」「イライラする」「自責の念がある」「集中力の欠如」「自殺願望」などの項目に「はい」・「いいえ」で答えていきます。
最後に生活状況について「上述の症状のために学校生活や日常生活に支障が出ているかどうか」を問われます。
小学校高学年以上の年齢になれば、うつの度合いを「簡易抑うつ症状尺度」QIDS-Jを使ってチェックすることもできるようになります。全部で16の質問に4択で答えていくことでうつ病の重症度を診断できるものです。
この尺度は世界的に有名な精神科医であるジョン・ラッシュによって開発されたもので、アメリカ精神医学会の診断基準に対応しているチェックリストです。
このようなチェックリストは子供のうつ病を疑った場合、自己診断ができるというメリットだけではなく、医療機関を受診する目安になったり、受診する際に的確に症状を説明するための助けになるという役割もあります。
また、どのチェックリストもそれだけで診断がつくものではないことは言うまでもありません。確定診断には必ず専門医の診察が必要です。
子供を受診させる目安
家庭の中で「最近、元気がない」「よく泣いている」ということがある場合は学校での生活や友人との交友関係にも目を配ってみるとよいと言います。
仲のよい友達と遊べなくなっていたり、学校に行くのがつらい状態が2週間以上続く場合や朝起きられない、夜眠れないなどのように生活のリズムに支障をきたしているような場合には受診のタイミングだと判断してよさそうです。
小学生であれば小児科、思春期以降であれば、精神科の受診をお勧めします。
うつ病には同じような症状をしめす躁うつ病の場合やうつ病の根底に発達障害がある場合などさまざまなことが想定されます。上述のうつ病の症状チェックリストを持参したり、成育歴や病歴、母子手帳などを持参して受診すると正しい診断の助けとなることでしょう。
まとめ
受診の目安にできるうつ病の症状チェックとは
子供のうつ病の症状
子供のうつ病症状チェック
子供を受診させる目安