毎年3万人以上が自ら命を落とすという悲しい現実があります。その原因としてうつ病は大きな割合を占めます。うつ病は勤労者などが主と思われていましたが、近年では子供たちの うつ病 も増えています。
早期発見、治療をするために、どのように 病院 をみつければよいのでしょうか。
うつ病の早期治療は適切な病院探しがカギ(前編)
子供のうつ病の症状とは?
子供のうつ病の症状としては表情の欠落、睡眠障害、無関心、集中力の低下、憂うつ、悲哀感、ひきこもりなどが顕著です。またイライラが募りかんしゃくを起こす、夜尿症や爪を噛む、髪をむしるなどがみられるようになります。
青年期の特徴としては腹痛や頭痛、吐き気を訴えることが多くなり「学校に行きたくない」などという言葉をよく口にするようになります。うつ病は病院受診が必至です。
小児期から青年期でのうつ病になる原因とは?
平成19年から平成27年にかけた警視庁データを基にした厚生労働省の調査では、自ら命を落とす理由を学生・生徒などに限ってみると「学校問題」がもっとも多い原因となっています。
内訳としては入試に関する悩み、そのほか進路に関する悩みおよび学業不振、教師との関係、いじめ、そのほか学友との不和などがあげられます。
さまざまな学校問題を理由として自ら命を落とす人の総数が毎年340人から450人弱いることに対し、大学生が毎年150人前後から210人程度でもっとも多く、次いで高校生が毎年80人から100人程度となっています。
大学生、専修学校生の男女だけに絞ってみた場合、自ら命を落とす理由では学校問題に限らず、学業不振や就職失敗、うつ病やそのほかの精神疾患、失恋などが主にあげられます。中でも男性は大学生、専修学校生共にうつ病によって命を落とした割合は18%弱となっていますが、女性では大学生、専修学校生共に35%から37%弱と、ほかの理由に比べると圧倒的にうつ病が原因で命を落とす比率が高いことが明らかになっています。
小、中学生でみた場合、男子では家族からのしつけや叱責、または学業不振が高い比率を示していて、女子では親子関係の不和、家族からのしつけや叱責、学友との不和などが高い割合となっています。
しかし高校生になると男子では学業不振、進路に関する悩みに次いで、また女子ではもっとも高い割合でうつ病が自ら命を落とす理由としてあがってくるようになります。年齢があがるごとに、自ら命を落とす原因としてうつ病が大きく影響していることがわかります。
こういった背景に対し、国は小学校から高校までについてはスクールカウンセラーの配置する学校数を増加したり、児童や生徒が教師やスクールカウンセラーに相談できる日を定期的に設けるなど受入れ体制の充実を少しずつ図っているものの、予算などの問題により大きな進展はなかなか難しい現状があります。
また青年期の場合、自ら命を落とす原因が学校問題としていても、その中に家庭の問題や個人の性格や精神疾患などが複雑に絡み合っていることが多いために、学校だけでなく児童相談所や保健所、病院など関係機関との連携を密にすることが重要だと言われています。
うつ病によって自ら命を落とすという最悪な結末
平成19年から平成27年までおこなわれた厚生労働省では「健康上の問題の中でもうつ病の悩みや影響によって自ら命を落としてしまった数」の調査をおこなっています。
平成19年:健康問題によって自ら命を落とした人の総数14,684人に対し、うつ病が原因なのが6,060人(41,2%)、平成20年:総数15,153人に対し6,490人(42,8%)、平成21年:総数15,867人に対し6,949人(43,7%)、平成22年:総数15,802人に対し7,020人(44,4%)、平成23年:総数14,621人に対し6,513人(44,5%)、平成24年:総数13,629人に対し5,904人(43,3%)、平成25年:総数13,680人に対し5,832人(42,6%)、平成26年:総数12,920人に対し5,439人(42,0%)、平成27年:総数12,145人に対し5,080人(41,8%)という結果になっています。
うつ病は自分の努力だけで完治するものではなく、専門科を受診することが大きなカギとなります。しかし病院選びはどのようにすれば良いのでしょうか。
まとめ
うつ病の早期治療は適切な病院探しがカギ(前編)
子供のうつ病の症状とは?
小児期から青年期でのうつ病になる原因とは?
うつ病によって自ら命を落とすという最悪な結末