受け口 というのは、噛み合わせた時に上側の前歯よりも下側の前歯が手前に来てしまう状態のことを言います。子供の受け口は、原因をよく確認した上で治療方針が決まります。
歯科医院によっても、見解が異なることがありますので、親がしっかりと勉強した上で、納得できる矯正治療を受けることが大切です。
子供の受け口について、よく知ることが大切。
受け口とは
受け口は、専門用語では、反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突(かがくぜんとつ)と言います。正しい噛み合わせは、上の前歯が前に出ている状態ですが、受け口になると下の前歯が前に出てしまいます。
日本人には受け口が多いとされ、幼児期に気づくケースもかなり多くあります。
受け口の種類
受け口には大きくわけて2つの種類があります。
ひとつ目は、歯が生えている位置が悪い「歯槽性の受け口」で、ふたつ目は、下あごと上あごの大きさのバランスが悪い「骨格性の受け口」です。
「歯槽性の受け口」の場合、本来、上の歯が生える正しい位置よりも内側に入ってしまったり、下の歯が正しい位置よりも外側に生えてきてしまったりすると起きる状態です。
歯の生える角度に異常がある場合にも、咬み合わせが逆になってしまいます。上の歯の角度が正常な状態よりも内側に向いていたり、下の歯の角度が外側に向いていたりすると反対咬合となります。
「骨格性の受け口」の場合、上と下のあごの成長の度合いが異なることによって起きる状態です。下あごの成長が著しく、上あごの成長が悪いと骨格性の受け口となってしまいます。
下あごの成長は、身長の伸びと密接に関係しており、身長がぐっと伸びる時期に、下あごも大きく成長します。上あごの成長時期よりも下あごの成長時期は遅れてやってきます。
どちらの種類の受け口でも、小さい頃からの継続的な経過観察が重要となりますので、受け口と指摘を受けたら、できるだけ早めに専門の医療機関を受診することが大切となります。
受け口の原因
受け口の原因は、遺伝によるものが大きいと考えられています。親や祖父母が受け口だと、子供も受け口になる可能性が非常に大きくなります。親戚に受け口の人がいる時は、子供の歯列の成長について注意深く観察することが重要です。
舌の位置が低い場合も、受け口になることがあります。リラックスしている時や物を飲みこむ時、舌は上の前歯の少し後ろに触れているのが正しい状態です。しかし、舌の位置が低いと常に下の前歯の後ろを自ら押してしまうことになり、受け口になってしまいます。
舌小帯が短い人は、舌を上側に持ち上げるのが難しくなるため、舌の位置が低くなりがちです。
口呼吸が多い人も舌の位置が低くなります。正しい呼吸法は、口を閉じて鼻で呼吸する方法です。口を開いてしまうと、舌が上あごに付かなくなってしまうため、舌の位置が低くなってしまいます。
受け口のもたらすデメリットとは
受け口になってしまうと、体に悪い影響を及ぼすことがあります。全身状態が悪くなり、頭痛や肩こりが起こることもあります。
また、子供にとって大きな影響と考えられるのは、発音の問題です。受け口の人の多くは、さ行やた行の発音が難しいとされ、滑舌も悪くなります。息が漏れるような発音であるとも言われます。不明瞭な発音は、健全な発育を妨げる要因ともなります。
また、咬み合わせが悪いことから、咀嚼する力が弱くなり、唾液の分泌量も減ってしまいます。唾液には自浄作用がありますが、分泌量が少ないと、虫歯なども発生しやすくなります。
子供の受け口を治すメリット
子供の受け口を治すメリットのひとつとして考えられるのは、コンプレックスの解消です。学校や幼稚園で、受け口をからかわれたりして、心に負担を感じている子供も大勢います。
受け口を治してあげることで、自分の容姿に自信を持って、前向きに生活を送ることができるようになると、子供の生活の質自体が向上することも考えられます。
まとめ
子供の受け口について、よく知ることが大切
受け口とは
受け口の種類
受け口の原因
受け口のもたらすデメリットとは
子供の受け口を治すメリット