鉄欠乏性貧血 は、子供では比較的乳児や思春期の女の子に多く、鉄不足になると体中の細胞が酸欠状態になり、冷え性や発育の遅れ、ボーっとした状態を招きます。 食事 の改善で回復できる場合が多いため、食生活の見直しをすることで子供のサポートをしていきましょう。
意外と多い子供の鉄欠乏性貧血。食事の見直しで改善を。
規則正しい食生活を。
鉄欠乏性貧血は、食事を3食摂らない欠食や、偏った食生活、無理なダイエットやインスタント食品ばかり食べ過ぎてしまうことで、体内の鉄分が不足しておこります。
鉄分は血液中のヘモグロビンの血色素に必要な成分ですが、鉄分が不足することにより十分にヘモグロビンを作れなくなってしまい、症状があらわれるのです。
特に成長期の子供は、成長するための筋肉成分のミオグロビンに、鉄が重要な役割を果たします。こうして体内の鉄分が成長の方に動員されてしまい、常に鉄が不足しがちとなります。
また、初潮を迎えた女のお子さんは、血液が排出されますので、この不足しがちな鉄分を補うには、きちんとした間隔で鉄分を補給する必要があり、規則正しい食生活を心がけなくてはいけません。
鉄分は「今日摂ったからといって明日は摂らなくても構わない」というものではなく、常に一定量を摂り続けるべき性質のものですから、バランスよく3食の食事ができるように心がけましょう。
鉄分の吸収を妨げる食品
タンニンという強い苦みをもつ成分が鉄の吸収を妨げます。タンニンが含まれるコーヒー、紅茶、緑茶、渋柿、ガラナなどを食事とともに摂取することはなるべく避けましょう。
また、未精製の米ぬかや玄米に含まれているフィチン酸は、鉄分の吸収を妨げる半面で血液によって運ばれた酸素とヘモグロビンの分離を強化する作用もあり、貧血には効果的な側面もあると考えられています。
リン酸塩は加工食品に含まれるいわゆる添加物です。食品添加物の摂りすぎは、鉄分の吸収を妨げる以外にも子供の成長には悪影響がありますので、与え続けないようにしましょう。
シュウ酸はホウレンソウ、筍、チョコレート、ココア、紅茶、などに含まれておりますが、水溶性のため、野菜はゆでたりアク抜きをすることにより、シュウ酸を体内に摂り入れることを減少できます。
アスコルビナーゼは、鉄分の吸収を促進するビタミンCを破壊する成分です。このアスコルビナーゼを多く含む食品は、キュウリ、ニンジン、カボチャ、キャベツ、バナナ、リンゴなどがありますが、アスコルビナーゼは熱と酸に弱いため、火を通したり、酢漬けにする、レモンを入れてジュースにするなどで分解できます。
アスコルビナーゼを含む食品は、鉄分の吸収を阻害する一方、成長期の子供には不可欠な栄養分を多く含むため、上手に調理をすることで摂りいれるようにしてください。
カルシウムもまた摂りすぎることが鉄の吸収に悪影響を与えます。乳製品を多く取りすぎるお子さんで貧血症状がみられたら、乳製品の摂取をセーブする必要があります。
食物繊維、炭酸も過剰摂取により鉄分の吸収を阻害するので、気を付けましょう。
鉄欠乏性貧血の子供のためのメニュー
鉄欠乏性貧血の子供が食べた方が良い食べ物は造血に必要なタンパク質、鉄、ビタミンB6、B12、葉酸、ビタミンCです。鉄の中には、動物性食品に含有するヘム鉄と植物性食品に含有する非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は吸収が良いのですが、こちらばかり摂ってしまうと、カロリーオーバーになるなどの弊害があります。非ヘム鉄を含む野菜などをたくさん摂取することで、ビタミンCも効率的に摂れますので、どちらもバランスよく食べましょう。
鉄欠乏性貧血の子供に効果があるメニューとは、とにかくバランスよく食事をすることです。
大豆、納豆、ヒジキ、小松菜、ホウレンソウなどの鉄分を多く含む食品と、肉、卵などのタンパク質に、ビタミンB12を多く含むしじみ、あさり、カキ、いわし、海藻類や、葉酸を含む小豆、菜の花、インゲン豆、ブロッコリーに、ビタミンCを含む野菜やかんきつ類などを毎日、毎食、上手に組み合わせてメニューを考えてください。
まとめ
意外と多い子供の鉄欠乏性貧血。食事の見直しで改善を。
規則正しい食生活を。
鉄分の吸収を妨げる食品
鉄欠乏性貧血の子供のためのメニュー