鉄欠乏性貧血になるのは大人だけではありません。子供でも貧血症状が出ることがあります。ここでは鉄欠乏性貧血の症状と、 フェリチン という物質がどのように 鉄欠乏性貧血 に関係があるのかをご紹介いたします。
子供の鉄欠乏性貧血とは、フェリチンって知っていますか
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鉄欠乏性貧血の症状は子供と大人で違いがあるのでしょうか
鉄欠乏性貧血の症状は、基本的には大人と子供では変わりませんが、子供の場合、成長期でもあるので、身長の伸びが悪いとか、体重が増えないといった症状で気が付くことがあります。
しかし、鉄欠乏性貧血は、症状がゆっくりと進んでいくため、体が慣れてしまって、症状が出ないことがあるので、注意が必要です。
鉄欠乏性貧血とはどういう病気でしょうか
血液は、赤血球、白血球、リンパ球、血小板、血漿という成分で構成されていますが、この中の9割以上を赤血球が占めています。そして赤血球は酸素の運搬をおこなっています。
赤血球の中にはヘモグロビンという成分があって、ヘモグロビンのヘムという物質が酸素と結びついて、酸素を全身に運んでくれます。体がヘムという物質を合成するには鉄分が必要で、体の中にある鉄分の需要と供給のバランスが崩れた時に、鉄欠乏性貧血の症状があらわれます。
鉄欠乏性貧血に、何故フェリチンが重要なのでしょうか
フェリチンとはどういう物質なのでしょうか。フェリチンとは、すべての細胞に存在しているタンパク質で、その中には鉄分を貯蔵する働きがあります。貯蔵されている場所は、おもに肝臓で、他には脾臓や骨髄にも貯蔵されています。
鉄分がフェリチンとして貯蔵されていることで、ヘムを合成する時に鉄分が足りなくなれば、すぐ使えるようになっているのです。また、鉄分は過剰に摂取した時に、細胞が破壊される事があるので、その毒性を消すために、フェリチンとして貯蔵されています。
フェリチンはどのように働いているのでしょうか
鉄欠乏性貧血は、鉄分が少なくなって発症する病気です。体内にある鉄分が少なくなると、ヘモグロビンを作るために、まず貯蔵されているフェリチンから使われていきます。
需要と供給のバランスが崩れた時、すなわち、食事による鉄分の摂取不足や慢性的な出血がある場合、不足分を補うためにフェリチンから使われていきます。
そして、フェリチンが使われてしまうと、次に血液中の鉄分が使われ、体の各組織に使われている鉄分も不足していくと、ヘモグロビンが作られなくなり、鉄欠乏性貧血になります。
小さい子供の場合、生後6カ月くらいまでは、体内にフェリチンが蓄えられているので心配ありませんが、その後は活動も活発になり、離乳食が始まるので、栄養のバランスを考えなくては鉄分不足になってしまい、鉄欠乏性貧血の症状があらわれることがあります。
フェリチンを増やして、鉄欠乏性貧血を予防しましょう
鉄欠乏性貧血を予防するには、まず食事療法があげられます。鉄分を多く含む食べ物をたべるようにしましょう。
豚肉や鶏肉のレバーや海藻類、切干大根なども多く含まれています。そして、鉄分の吸収を助ける栄養素のビタミンB群やビタミンCも一緒に摂取しましょう。レモンやみかん、いちごがおすすめです。
鉄分の吸収を妨げる食材があるのは、あまり知られていません。コーヒーとお茶は鉄分を含む食材と同時に摂取するのはやめたほうがいいようです。
また、フェリチンが少ないとわかった時に、鉄欠乏性貧血を予防するために、鉄剤を服用しますが、吐き気の副作用がでることがあります。その場合は、注射で鉄分を補給することもできます。
鉄分の補給をすると、まずは血液の中の鉄分が増えてきます、そうするとヘモグロビンが上昇しはじめます。最後にフェリチンの値が上昇してきます。フェリチンの値が正常になりには、3~4カ月かかります。
小さいころから好き嫌いせず、鉄欠乏性貧血にならないよう気を付けておきたいものです。
まとめ
子供の鉄欠乏性貧血とは、フェリチンって知っていますか
鉄欠乏性貧血の症状は子供と大人で違いがあるのでしょうか
鉄欠乏性貧血とはどういう病気でしょうか
鉄欠乏性貧血に、何故フェリチンが重要なのでしょうか
フェリチンはどのように働いているのでしょうか
フェリチンを増やして、鉄欠乏性貧血を予防しましょう