作業ミスや交通事故などとからめてニュースになることも多いてんかんという病気ですが、「どんな病気?」と聞かれて答えられる人は少ないのではないでしょうか。
てんかんとは どのような病気なのか、正確な知識を得て、不安感や思い込みをなくしましょう。
てんかんとはどういう病気?5つのポイントで正しく理解
てんかんとはどういう病気?
てんかんとはてんかん発作が起きることで有名な病気です。大きな発作では意識を失って倒れてしまうこともあるなど、「危ない」、「怖い」というイメージを持たれてしまうことも多い病気ですが、発作は薬によって効果的に抑えることができ、きちんと服薬することで社会的な生活が営めます。
てんかん発作の原因は、脳の電気活動が過剰に活発化してしまうことです。異常な電気信号が脳機能に一時的な障害を起こし、意識を失う大きな発作から、意識が一時的にぼんやりする発作までさまざまな症状を引き起こします。
この発作は繰り返されるのが一般的ですが、一生に数度しか起きない人もいるようです。
てんかんにはどのような人がかかる?
てんかんはあらゆる年代の人がかかる病気で、世界で5,000万人の人が苦しんでいます。人口に対して0.4%から1%ほどの罹患率とされていて、1,000人いれば4人から10人がてんかん患者です。
また、そのほとんどは3歳以前に発作を起こしているとされます。3歳以前と言えば体もかなり小さく、初めての発作が起きた時には家族も動揺しがちですが、落ち着いて医療機関に連絡してください。
特に遺伝との強い関わりはないとされ(特定の遺伝性疾患が原因となることはあります)、もともと脳に器質的な問題がある場合や、事故や病気で脳自体が激しく損傷を受けた場合にかかってしまうことがあります。
てんかんではどんな発作が起きる?
てんかんの発作については非常に多くの種類があり分類もさまざまですが、代表的なものをみていきます。
大発作(全般性強直間代発作)
意識がなくなります。立っている場合は倒れてしまいます。その後体が硬直し、数十秒続いた後、全身の筋肉が痙攣し始めます。痙攣は数十秒から一分ほど続き、終わった後は全身の力が抜けてしまいます。
欠神発作
低年齢の女の子に多い発作で、数十秒ほど意識を失ってしまう発作です。発作中は倒れたりけいれんを起こしたりすることはないので、気付きにくい場合もあるようです。
このほかに、噛んだり、なめたり、手指が勝手に特定の動作をするなど、本人の意図しない動作が一定程度続く自動症と呼ばれる症状を伴う発作や、首を前にガックリ倒す動作(点頭)を伴う点頭てんかんというものなど、さまざまな症例があります。
てんかんかもしれない…そんなときは
いつ、どのような症状が、どれくらいあったかを振り返り、その記録をもとに医療機関に相談するのがスムーズです。
できるだけ細かいことが望ましく、身近にいる家族から詳しくその時の状況を聞いておくことはもちろん、幼稚園や保育園、学校に通っている場合は担任の先生や関係者からもヒアリングしておくと医師が判断材料にしやすくなります。
てんかんは投薬治療で改善が可能ですし、完治する場合もあります。悲観せず、まずは状況を把握するために早めに受診しましょう。
てんかんの治療と薬
てんかんは脳の病気なので、原因がはっきりわかる特定のてんかんについては外科的な手術で改善される場合もあります。
しかし、主流は脳の電気信号を整える効果をもつ薬を飲むことによる治療です。薬は抗てんかん薬とよばれ、多数の種類があります。数年に渡り服用し、発作等の症状が起きなくなった場合にいったん中止して様子をみる治療が一般的です。
効果のある薬が開発されていますので、治療によって社会的に問題ない生活を目指すことができます。周囲も、原因や対処法を正しく知ってサポートしていきましょう。
まとめ
てんかんとはどういう病気?5つのポイントで正しく理解
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てんかんにはどのような人がかかる?
てんかんではどんな発作が起きる?
てんかんかもしれない…そんなときは
てんかんの治療と薬
参考