てんかん は 種類 によって発作時の症状に大きな違いがあります。てんかんの発作はいつ起きるかわかりません。子供のてんかんでは周囲の大人たちがしっかりとてんかん発作についての知識を深め、適切な対応をしてあげることが大切になります。
てんかんは種類によって発作に違いがあることを知る
てんかんの種類とは
てんかんはまず大きく分けて、部分てんかんと全般てんかんという二つにカテゴライズされます。さらに発作が起きる原因によって特発性(とくはつせい)と症候性(しょうこうせい)という二つに分けられます。
特発性では検査をしても脳に大きな異常が見られず、症候性では脳になんらかの傷や障害があるとされています。
中には部分てんかんか全般てんかんか決めることができない「未決定てんかん」というものもあります。
どの種類のてんかんなのかを見極め、診断することはその後の治療方針に大きく関わります。信頼のおける医師のもとでしっかりと検査、診断をしてもらうことが大切です。
特発性てんかん
特発性てんかんは発症しやすい年齢があると言われています。子供によくみられるてんかんでは、赤ちゃんの頃に発症するものと5歳から10歳ぐらいにかけて発症するものが多いとされています。
特発性てんかんは早期に適切な治療を開始できると、回復し、予後も良好になる傾向があります。治療開始が遅れると長引いてしまうこともあります。
特発性てんかんの原因は現在のところ、よくわかっていません。CTなどで詳細な脳の検査をしても異常は見つかりません。このタイプのてんかんの原因には遺伝的な要因が関係しているのではないかと考えられています。
小さい頃に発作があらわれ、一定の月日が経つと発作の回数そのものが減っていき、次第に発作が起こらなくなっていくこともあります。
症候性てんかん
症候性てんかんを発症する子供の多くは、先天的に脳になんらかの損傷がある、先天性の代謝異常、奇形などの原因を持っています。お母さんのおなかにいる時や分娩時に大脳部分が損傷を受け、そのせいで発作を起こすことも多いです。
症候性てんかんでは3歳くらいまでの間に、発作を生じます。乳幼児に多く発症する病気ですが、先進国では検査技術の向上などにより減少がみられます。大人になってからの症候性てんかんでは、アルツハイマー病や脳腫瘍などが原因となります。
症候性てんかんでは、脳の一部分の異常で発作が生じる部分てんかんの方が多いと言われています。脳の運動をつかさどる部分の異常で起きる運動発作、感覚をつかさどる部分の異常で起きる感覚発作などが多く生じます。
全般てんかん
広範囲にわたる両側の大脳で過剰な電気信号が行き交い、興奮状態が起きるのが全般てんかんです。年齢に関係して発症するという特徴があります。発作があらわれると最初の段階で意識がなくなってしまうため、本人はどんな状況になっているかを把握していません。
全般てんかんでは、様々な発作の形態があります。突然意識を失って、大きな声をあげて強直けいれんを起こしてしまう強直間代発作や全身の筋肉がだらりとなって倒れてしまう脱力発作、数十秒の間、意識だけがなくなってしまう欠神発作などがあります。
欠神発作では、倒れたり、けいれんしたりするわけではないので、ただぼんやりしているのかと誤解されてしまうこともあります。女の子に特に多い発作であると言われています。
部分てんかん
部分てんかんでは、脳のある一部分から発作が始まります。けいれんなどが体の一部分で始まって、それが徐々に他の場所へと広がっていく場合もあります。腹痛や下痢などの自律神経系の症状があらわれることもあります。
部分てんかんは、てんかんが発症する原因となる他の病気があったり、発作が現れる前に前兆としてなんらかの症状があらわれたりするという特徴があります。
部分てんかんの発作のことを部分発作と言い、意識がなくなってしまったりぼんやりしてしまったりする複雑部分発作と、意識がはっきりしていて状況を把握している単純部分発作に分けられます。
まとめ
てんかんは種類によって発作に違いがあることを知る
てんかんの種類とは
特発性てんかん
症候性てんかん
全般てんかん
部分てんかん