てんかんのお子さんを持つ親は、その子の将来について大変悩むことでしょう。てんかんを抱えたまま大人になると発作に怯えながら仕事をするなど、自活するには不安がつきまといます。
てんかん 発作と上手く向き合いながら 仕事 をするためには、どうしたらよいのか、考えていきます。
てんかんの子供、将来は?仕事は?
てんかんと自動車免許
仕事をする上で、自動車の運転免許が必要とされることが多くあります。
てんかんの方の運転免許取得については、
- 運転に支障するおそれのある発作が2年ないこと、
- 過去にさかのぼり、5年間服薬等によって症状を抑えられている時で、今後にわたって発作が起きる可能性がないこと
- 運転に支障するおそれのない発作がある場合にはさらに1年間以上症状悪化の恐れがないこと
- 睡眠中に限定された発作がある場合にはさらに2年間以上経過観察し、症状悪化の恐れがないこと
以上4点を満たせば取得可能となります。
しかしながら、大型免許と、第二種免許は取得できません。運転が主たる職業もすすめられません。
仕事がない時は社会福祉の中で生活する選択を
てんかんで取得できる手帳は「精神障害者福祉手帳」です。この手帳を保有することで、さまざまな福祉サービスを受けることができますが、ダイレクトに生活費が手に入るというわけではありません。
生活費を得るためには、障害年金の支給を受けることを検討していきます。
国民年金加入者は障害基礎年金、厚生年金加入者は障害厚生年金、公務員など共済年金加入者は障害共済年金と、三種類のうちどれかが該当するかと思います。
このうち、障害基礎年金と障害厚生年金は1級(年額990,100円)2級(年額792,100円)、障害厚生年金のみ3級の設定があり、最低保証額が579,700円となっています。
就職先がないのなら作る
就職難の時代にあって、てんかんを持つ方の就職の幅は狭くなりがちです。しかし、何かしらで生活をしなければならないのも事実です。
社会福祉からの支援等を受けながら生活することを選ぶ方もいますが、自力で自分の手でできる事業を起こすという考えもあります。
事業を起こすまで行かなくても、フリーで活動することもできますから、柔軟に自分の力量と相談しながら少しずつ規模を拡大していくと良さそうです。
初期の準備が最も簡単なものとして、ネットビジネスをどこかの会社から請け負う、パソコンでできる会社を立ち上げるなどの方法があります。
フリーのwebデザイナーや、ネットワーク構築の仕事、映像編集、楽曲製作など、自宅でできる仕事なら突然の発作にも安心して対応できます。
避けた方が良い職業
てんかんを持つ方が避けた方が良いのは、発作が起きて倒れた時に、ただちに命の危険がある職業です。
避けた方が良い職業を具体的にあげます。
- パイロットは、子供のころてんかんがあって、大人になって発作がなくても、資格は取れません。たくさんの命を預かる職業だけに、資格要件は厳しいです。
- バスやトラックの運転手や重機などのオペレーターですが、大型免許と二種免許の資格は取れません。
- 危険な生物を扱う職業は、動物取り扱い責任者の資格取得条件にてんかんについての記述はないので、てんかんであっても資格者となれます。しかし、万が一危険な生き物を発作時に逃がしたなどとなれば大変危険です。
- 毒物を扱う職業については、毒劇物取扱責任者の欠格事由となっていますので、毒劇物取扱責任者にはなれません。
- 潜水士は、受験資格にてんかんの条件はないので、てんかんがあっても資格は取れます。しかしもしも、潜水中に発作に見舞われたら大変危険です。
- 漁師では、小型船舶操縦者としての業務に支障がない旨医師の診断書があれば、免許を取得できます。しかし、発作が起きて万が一船から落ちてしまうなどのトラブルに見舞われた場合、命にかかわり大変危険です。
- 美容師・理容師は、てんかんがあると免許は取得できません。
てんかんがあっても免許はとれるものと、絶対的欠格事由となっていて、免許の取得自体が阻まれているもの、相対的欠格事由といって「医師の診断書があれば」なぢ、条件付きで免許を取得できるもと分れますが、最近では自動車免許のように相対的欠格事由扱いになる傾向がありますので、夢を見ている資格があれば、一度医師に相談してください。
まとめ
てんかんの子供、将来は?仕事は?
てんかんと自動車免許
仕事がない時は社会福祉の中で生活する選択を
就職先がないのなら作る
避けた方が良い職業