赤ちゃんや子供がけいれんを起こした場合、様々な可能性が考えられます。発熱からくる熱性けいれんや胃腸炎からくるけいれん、また激しく泣いたことで起こる泣き入りひきつけの場合もあります。
しかし、発熱や嘔吐、下痢といった症状が全くないのに、けいれんを繰り返す場合には、てんかんかもしれません。
てんかんとはどんな病気なのでしょうか。そして、 てんかん は 遺伝 するのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
てんかんはどんな病気?てんかんは遺伝する?
てんかんとは
赤ちゃんや子どもにとってけいれんを起こすことは、さほど珍しいことではありません。高熱と同時に起きる熱性けいれんは、15人に1人の割合で起きるといわれています。
熱性けいれん以外にも、急性脳炎や胃腸炎といった病気が原因でけいれんが起きたり、熱中症などで脱水症状に陥った時にけいれんを起こしたりすることもあります。
しかし、発熱や嘔吐、下痢といった症状が全くないのに、けいれんを起こし、それが繰り返される場合は、てんかんの可能性が考えられます。
てんかんは、脳の神経細胞の一部が刺激に対して興奮しやすいために、けいれんなどの発作を繰り返す病気です。
てんかんの種類
てんかんにはいくつかの種類があります。赤ちゃんや子どもに多いのは次のようなてんかんです。
小児良性てんかんは、主に夜間に起こるてんかんです。寝ている間に、突然手足がバタバタと動いたり、口の端をぴくぴくしたりする発作が見られます。
小児欠神てんかんとは、前触れもなく突然意識がなくなり、動作が一瞬止まる発作です。発作は10~30秒ほど続きますが、発作が治まった後は、何事もなかったかのようにケロッとしています。5~9歳の子供に多く見られるてんかんです。
点頭てんかんは、ウエスト症候群とも呼ばれるてんかんで、1歳未満の赤ちゃんに多く見られます。首が急にピクッと動いたり、手足が急に突っ張ったりする発作を10~30秒間隔で繰り返します。
寝る前や起きた直後に起こることが多いようです。点頭てんかんの場合、発達の遅れが心配されるので、早めに治療を行うことが大切です。
てんかんの原因
てんかんの原因は、体内や出産の時の異常(新生児仮死など)や、脳炎、髄膜炎といった病気が原因の場合もあります。しかし、てんかんの原因がわからないケースも少なくありません。
てんかんは遺伝するのか
てんかんは遺伝するのではないかと心配する声は少なくありません。てんかんは本当に遺伝するのでしょうか。
てんかんの中には、ミトコンドリア脳筋症や歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症が原因のものや、家族性本態性ミオクローヌスてんかんなどがあり、この種類のてんかんは遺伝することが分かっています。しかし、これらのてんかんは極めてまれな種類のてんかんです。
大抵のてんかんには、遺伝性はありません。親子3代に渡っててんかんが発症されているケースがほとんどないことから見ても、てんかんの遺伝性は低いということが出来ます。
てんかんの治療とケア
病院では、血液検査や尿検査をはじめ、脳波検査や、MRI(磁気共鳴映像法)、CT(コンピューター断層撮影法)といった画像検査をします。検査の結果、どの種類のてんかんかを突き止め、そのてんかんの種類に合った治療を行います。
てんかんの治療には抗てんかん薬を使用します。薬を服用することで、脳の神経細胞の一部が興奮しにくくなり、発作が起きにくくなることが期待できます。
抗てんかん薬を毎日服用する治療は何年もの長期に渡りますが、治療をきちんと続けることで、大抵の場合てんかんを完治することが出来ます。
病院受診の目安
てんかんには早めの治療が大切です。てんかんが疑われるようなけいれんが見られたら、病院を受診しましょう。
まとめ
てんかんはどんな病気?てんかんは遺伝する?
てんかんとは
てんかんの種類
てんかんの原因
てんかんは遺伝するのか
てんかんの治療とケア
病院受診の目安