「てんかんの発作には前兆があるのか(前編)」では、部分発作の中でも単純部分発作と複雑部分発作の違いについてご紹介致しました。後編では、大脳半球全体に異常脳波が現れ引き起こされる発作についてご紹介致します。また、 てんかん の 発作 には 前兆 がないといわれますが前駆症あらわれる場合があるようです。
てんかんの発作には前兆があるのか(後編)
大脳半球全体が異常興奮する全般発作
大脳半球全体に異常脳波が現れて引き起こされる発作を全般発作といいます。全般発作には、いくつかの種類があります。
欠神発作は、突然5~15秒間、意識を失って動作を中断しますが、すぐに元の状態に戻って動作を再開する発作です。
複雑部分発作と似ていますが、欠神発作は意識が曇るのではなく、突然意識を失うのが特徴です。過呼吸によって誘発されやすい発作で、小児、特に女児に多く見られます。
ミオクロニー発作は、顔や手足といった身体の一部、もしくは全身が、一瞬ピクッと収縮する発作です。なかには強い収縮が起こり、転んでしまったり、持っていたものを放り投げたりすることもあります。ミオクロニー発作は、光の刺激によって誘発されることが多いといわれています。
脱力発作は、突然、全身あるいは身体の一部の筋が脱力する発作です。首がガクッと前に垂れたり、膝が折れたりします。立っているときに全身が脱力した場合、そのまま倒れこんでしまいますのでとても危険です。強直発作は、叫び声をあげたかと思うと意識をなくし、筋が強直する発作です。
全身に強直が起これば、身体が弓なりにこわばります。間代発作は意識を失うとともに、筋が収縮と弛緩を繰り返し、手足がガタガタと震える発作です。強直発作を起こした後、間代発作に移行することもあります。
てんかんの発作に前兆はあるのか
てんかんの発作は、突然に起こることがほとんどです。発作を起こすタイミングと場所によっては、大けがをしかねず非常に危険だといえます。もし発作が起きる前に、「いまから発作が起きそうだ」という前触れや兆しがあれば、危険を避けることができます。
しかし残念ながら、てんかんに前兆は存在しません。ただ、なかには、てんかん発作の始まり(前駆症状)を感じ取れる人がいるそうです。前駆症状は、異常脳波が起こる部位によって、さまざまなものがあります。
手足が熱く感じたり、電気が流れたように感じたりする身体感覚症状、いろいろなものが見え始める視覚症状、何か音が聞こえる聴覚症状、焦げ臭いにおいなどを感じる嗅覚症状、甘い、酸っぱいといった味を感じる味覚症状。
異常脳波の出始めに、これらの微細な感覚を感じ取り、てんかん発作が起こることを察知できる人がいるのです。前駆症状を感じ取れるか、感じ取れないか、どちらにしても、まずは発作が起きないように薬などでコントロールすることが大切です。
まとめ
てんかんの発作には前兆があるのか(後編)
大脳半球全体が異常興奮する全般発作
てんかんの発作に前兆はあるのか