「小児てんかんの原因は、気になる症状と日常生活の送り方(前編)」では、てんかんを引き起こす原因や特徴、診断方法についてご説明いたしました。後編では、てんかんに対しての治療方法や減薬についてご説明いたします。
てんかん では、生活習慣の改善や発作の 原因 を取り除くことが重要な治療法になります。
小児てんかんの原因は、気になる症状と日常生活の送り方(後編)
生活上の注意
てんかん発作は80%が偶発的、20%が誘発的、1%は反射的におこると言われています。主に極度の精神的緊張や意識の変化、睡眠不足でおこりやすくなります。
生活習慣の改善や発作の原因を取り除くことが重要な治療になります。まずてんかんに対して特別な子育てや教育はありません。発作の種類では突然倒れる症状の発作もあるので転倒時にケガをしないよう注意しながら治療と子育てを並行してすることになります。
てんかんということにナイーブなり過保護にならないよう他の子供同様の子育てをすることが大切です。
治療方法
治療としては抗てんかん薬の服用が基本となります。小児では体内で薬が分解され排泄するまでの時間が短く成人より多めの薬の量が必要となります。成長に伴い体重も増加することで薬の量の調整をすることになります。
定期的に体重と血中濃度(血液内の薬の量)を測りながら薬の量を調整することになります。併用する薬の種類によりますが一緒に服用することで血中濃度が変化することがあります。血中濃度が上がると副作用(眠気など)、下がることで発作をおこすことがあります。
風邪などをひいて他の薬を服用するときには医師に抗けいれん薬を服用していることを報告してください。
抗てんかん薬を複数飲んで血中濃度が十分でも発作が治まらない時があります。長期間発作が抑制できないときは精神発達低下や異常行動をおこすときは手術適応になります。手術で発作が消失すると精神発達低下や異常行動の症状は治まります。
食事療法として炭水化物を減らし脂肪の摂取を多くする治療があります。脂肪を増やすことで体内のケトン体が作られることで効果を発揮することができます。米やパン、麺類などを減らし料理に砂糖を使用せず卵、豆腐、肉魚を中心とする食事になります。
この食事療法は栄養バランスがかなり偏よることになるので必ず医師の指示に従い進めてください。
抗けいれん薬の中止
抗けいれん薬治療を中止できる発作と飲み続けることが必要な発作の2種類あります。後頭部や中心部、側頭部からのてんかん波動の発作は良性発作で思春期になると発作回数がすくなくなることから抗けいれん薬を中止することができます。
しかし側頭葉や前頭葉からの発作は治まりにくい症状により中止することが困難です。長期間の服用を必要とします。抗けいれん薬を中止することができる目安は3年以上発作を起こしていないことや脳波検査結果によりてんかん波動が2年以上観測されていなければ中止することができます。
抗けいれん薬を中止する時は一気にやめるのではなく量を少しずつ減らしながらやめていきます。途中で発作をおこしたときは再度服用することになります。
乳児良性部てんかん、乳児ミオクロニーてんかんでは2年間発作がなければ中止を考えることができます。ウエスト症候群やレノックス・ガストー症候群の場合は慎重に検討することになります。
発作がなくなり完全に服用中止をしても発作がおきる可能性があります。中止して3年間が多いので注意が必要です。必ず中止した後も定期的な脳波検査が必要です。
まとめ
小児てんかんの原因は、気になる症状と日常生活の送り方(後編)
生活上の注意
治療方法
抗けいれん薬の中止