タミフル は代表的なインフルエンザ治療薬です。インフルエンザウイルスに感染してから48時間以内に服用すると治りが早く、重症化を防ぐという 効果 がよく知られています。
子供がタミフルを処方された場合の注意点を含めて、タミフルについてご紹介いたします。
こうして安心、治療にも予防にも効果のあるタミフル
タミフルとは
タミフルはインフルエンザウイルスの増殖に必要なノイラミニダーゼという酵素の働きを阻害する薬です。インフルエンザウイルスに直接作用してウイルスの増殖をおさえ、A型・B型のみならず、2009年に流行して当時新型と呼ばれたインフルエンザに有効です。
感染から48時間以内に服用を始めることによって、症状の軽減と重症化を防ぐ働きがあると言われています。
インフルエンザウイルスに直接作用する飲み薬としては世界初のものです。カプセルに加えて、子供に服用しやすいドライシロップがあります。
タミフル服用後の異常行動が報道されたことは記憶に新しいかもしれません。異常行動が薬の副作用であれば大問題ですので、厚生労働省の医薬品安全対策調査委員会では徹底的な調査を行いました。
その結論として、「未成年のタミフル服用後の異常行動の例はみられたものの、明確にタミフルが原因だとは考えない」ということになりました。
タミフルを服用しない場合にも異常行動がみられる場合があって、異常行動の原因はインフルエンザそのものであるという結論に達したのです。
タミフルはインフルエンザの治療だけではなく、高齢者や持病のある方、受験期など事情のある場合などに予防薬としての処方も可能になっています。
タミフルの服用方法
タミフルは治療に用いる場合と予防に用いる場合で用法・用量が違ってきます。
カプセルを治療に用いる場合、成人と37.5㎏以上の子供はオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間服用します。
カプセルを予防に用いる場合、体重37.5㎏以上の子供は通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間服用します。
ドライシロップを治療に用いる場合、体重1㎏についてオセルタミビルが2mgに充当するように、ドライシロップ剤を体重1㎏について66.7mg、1日2回、5日間服用します。1回の最高使用量が定められていて、オセルタミビルとして75mgを限度としています。
ドライシロップを予防に用いる場合、体重1㎏についてオセルタミビルが2mgに充当するように、ドライシロップ剤を体重1㎏について66.7mgを1日1回、10日間服用します。治療の場合と同様に、1回の最高使用量は75mgとされています。
タミフルの効果と注意点
我が国でプラセボ(にせ薬)を使って治験した結果、タミフルを治療薬として服用した場合、服用しない場合より治癒するのが1日早いということが報告されています。
インフルエンザは高熱・頭痛・筋肉痛・関節痛などが急激に現れて発症し、通常3~4日で回復にむかうものですが、重症化すると脳症などを引き起こすようなこともあるのが厄介な点です。タミフルは重症化を防ぐという効果もよく知られています。
子供はインフルエンザにかかることが多く、また、大人に比べて重症化しやすいため、予防薬として用いられることも多いようです。
製薬会社の研究報告によると、家族にインフルエンザ患者がいる1~12歳の子供にタミフルの予防投与を行うと、インフルエンザ発症者が80.1%も減少したと言います。
平成19年に厚生労働省は「意識障害からくる異常行動は、インフルエンザによる脳炎・脳症の症状であり、タミフルの副作用とは言い切れない」と発表しましたが、あまり脳炎・脳症のみられない10代未成年でも異常行動がみられることから、10代未成年への処方を原則中止としました。
平成28年にはこの処方を解禁するかどうかの検討に入ったことが報告されています。現在、10代未成年への処方は合併症や既往症から医師が判断するということになっています。
上述したようにタミフルを服用するしないにかかわらず、異常行動の発生率には差がないと言われています。
原因が「熱性せんもう」か「脳症」であるかは別として、インフルエンザにかかると異常行動がみられることがあるということに留意して、お子さんの看病にあたることが必要です。
異常行動の多くは発熱後24時間以内に起こっているようです。最低でも発熱後2日間はお子さんを一人にしない配慮が大切になってきます。
まとめ
こうして安心、治療にも予防にも効果のあるタミフル
タミフルとは
タミフルの服用方法
タミフルの効果と注意点