赤ちゃんの離乳食が始まるにつれて、食物アレルギーについて気にされる方は多いと思います。中でも、卵アレルギーを発症されるお子様はかなりたくさんいます。
今回はその 卵アレルギー についての 原因 と対策についてお伝えしていきたいと思います。
卵アレルギーの原因と対策について
食物アレルギーとは
厚生労働省の発表資料によると食物アレルギーとは、「摂取した食物が原因となり、免疫学的機序(体を守る働きを免疫という)を介して蕁麻疹、湿疹、下痢、咳などの症状が起きることを言います。
卵アレルギーとは、牛乳、大豆と並ぶ3大アレルゲンの一つで、鶏卵またはそれを含む食品がもつたんぱく質がアレルゲンになって、体内に入ることで発症する食物アレルギーです。乳幼児がかかるアレルギーで最も発症する割合が多いのがこの卵アレルギーになります。
卵アレルギーの症状
卵アレルギーは他のアレルギー症状と同様に、軽度な症状から命に関わる重度なものまでさまざまあります。
症状については大きく5つにわけることができます。
一つ目は、皮膚粘膜症状です。蕁麻疹や湿疹が当てはまります
二つ目は、消化器症状です。下痢や嘔吐などの症状になります。
三つ目は、上気道症状です。咽頭の掻痒感、違和感やくしゃみ鼻水です。
四つ目は、下気道症状です。咳嗽、呼吸困難などです。
五つ目は、全身性反応です。アナフィラキシーショックとして知られています。
卵アレルギーの原因
「オボアルブミン」「オボトランスフェリン」「オボムコイド」「リゾチーム」というたんぱく質がアレルゲンとなります。アレルギーを起こす主な原因としは卵白の摂取であることが多いです。
また、直接摂取しなくても、マヨネーズやパン、お菓子などさまざまなものに含まれている加工食品からアレルギーが発症するケースもあります。
お母さんが卵を食べることで、その母乳からアレルギー症状を引き起こすこともあります。
卵アレルギーの予防
食事をする部屋と赤ちゃんの寝室をわけることが重要です。これは、目に見えない微量な分子が、肌から赤ちゃんの体内に入ることでアレルギーが発症するのを防ぐためです。
できるだけ外で遊ばせることも大事です。多くの細菌を持っている方がアレルギーには発症しにくいのです。
また、最近の国立成長医療研究センターなどによる研究で、6カ月から微量の固ゆで卵を食べ続けることで、1歳の時点で卵アレルギーの発症を8割減らせるという結果を出しました。
アレルギーの原因物質については摂取を避けるのが一般的ですが、こちらはそれを覆す内容のものです。ただし、卵の過熱が不十分だと危ないなど、気を付けるべき点もあるようなので、専門医にしっかり相談することが必要なようです。
成果は英医学誌ランセットに記載されており、生後6カ月から固ゆで卵50mg、9カ月以降は250mgに増やして卵を摂取することで発症率を8割下げたと報告されています。
卵アレルギーの治療
アレルギー治療について考えられるものは二つあります。
一つ目は、自然治癒です。卵アレルギーは三才以下の子供に多く見られる症状で、その間の摂取を避けることで自然と症状が発生しなくなるケースがあります。
もう一つは、経口免疫療法といって、入院等により医師の診断のもとアレルギー物質を持つ植物を少量ずつ食べて慣れさせていき、免疫を付けていくという治療法もあります。成功率はおよそ50%となっています。
重度なアレルギー症状を発症してしまう可能性があるので、独自の判断で行うのは絶対にやめましょう。
まとめ
卵アレルギーの原因と対策について
食物アレルギーとは
卵アレルギーの原因
卵アレルギーの予防
卵アレルギーの治療