溶連菌という細菌に感染すると体に小さな赤い発疹がでます。子どもだけでなく、体力の落ちた大人もかかる溶連菌感染症におきる症状で、発疹とともに急な発熱があります。
猩紅熱 (しょうこうねつ)と呼ばれる発熱とは、どのようなものでしょうか?
猩紅熱(しょうこうねつ)って危険な症状?
名作「若草物語」にも出てくる猩紅熱(しょうこうねつ)とは?
溶連菌感染症によって起こる症状の一つで、感染した子供の体に小さな赤いポツポツが出る頃に、急激な発熱を起こします。39度以上の発熱を猩紅熱と言います。
名作「若草物語」でも猩紅熱が出てきます。物語の後半に3女のベスが猩紅熱、つまり溶連菌感染症に感染します。家族の看病とベスの闘病の結果、当時としては奇跡的に一命をとりとめます。
現在のように治療方法が確立しておらず、治療薬のない時代には、致死率の高い危険な流行病だったのです。
猩紅熱は昔、日本では法定伝染病だった?
日本でも、猩紅熱は子どもにかかりやすく、死に至る事がある恐ろしい病気だったのです。明治時代には、法定伝染病に指定されていました。法定伝染病は、1998年に廃止された法です。
現在では法定伝染病といえば、家畜伝染病予防法のことですが、当時は人間の伝染病も含んでいました。
法定伝染病に指定されると、猩紅熱になった子どもは届出が必要になり、伝染をさせないために隔離されていました。抗生物質が開発され、治療される病気になってからは、溶連菌感染症として治療され、昔のように隔離されることはありません。
猩紅熱に似ている病気がある?
異型猩紅熱(いけいしょうこうねつ)と言います。発見者の泉仙助に、ちなんで泉熱とも言われることがあります。偽結核性(ぎけっかくせい)エルシニア菌によるウィルス感染で起こる病気です。
発疹と高熱が、猩紅熱に症状がとても良く似ていますが、右下腹部の痛み、下痢の症状が起きます。手指の皮がめくれるので川崎病にも間違えられやすいです。
春と秋に子ども~青年に発病が多く、菌が含まれていると思われるのは、山の湧き水・井戸水です。自然に親しむアウトドアで、大人もこどもも、安易に生水を飲まないようにしましょう。
猩紅熱の経過、治療薬は?
猩紅熱は、39度以上の急な発熱が起こります。喉が真っ赤に腫れて痛くなります。頭痛や腹痛、耳の痛み、全身の関節の痛みを伴いますのでインフルエンザにも似ています。すぐに、特徴的な赤い発疹が出てくるので溶連菌感染症だとわかります。
発症してすぐ医療機関で診察を受け、服薬した場合数日で熱は下がります。猩紅熱の治療には、ペニシリン系の抗菌剤が処方されます。抗菌薬の使用で周囲への感染を防ぐことができます。伝染をふせぐことと、合併症を防ぐために10日程度服用します。
発症後7日前後で、発疹が消え、14日前後で熱が下がる頃に、手の指の皮がむけますがそれもじきにおさまります。お子さんの保育園・幼稚園、学校へ出席の目安は医師が、登園、登校しても大丈夫と言われてからが多いようです。
子どもが猩紅熱になったら
猩紅熱は、風邪と異なり寝ていれば治るものではありません。抗菌薬を服用して安静にして治す病気です。人体に欠かせない血液の濾過ができなくなる急性糸球体腎炎やリウマチ熱という合併症があるため放置してはいけない病気です。
顔のむくみ、赤いおしっこが出る、息切れや動悸の激しさ、関節痛を子どもが訴えてきたら合併症を疑い、早急に受診しましょう。
今では治療が可能な病気でも、きちんと医療機関にかかり、治療しないと治りません。幼い子どもには、今でも合併症の恐れのある病気です。体調がおかしければすぐに小児科で診てもらいましょう。お子さんのためでもあり、周りの家族や関係者のためでもあります。
まとめ
猩紅熱(しょうこうねつ)って危険な病気?
名作「若草物語」にも出てくる猩紅熱(しょうこうねつ)とは?
猩紅熱は昔、日本では法定伝染病だった?
猩紅熱に似ている病気がある?
猩紅熱の経過、治療薬は?
子どもが猩紅熱になったら