小さな乳幼児では時々機嫌が悪くなりミルクの飲みが悪く噴射するように嘔吐することがありませんか。ある程度成長し児童ですとボーッとする意識障害や頭痛嘔吐といった症状はありませんか。なんだかいつもと様子が違う時には小児科に受診をしてみてください。水頭症と診断される可能性があります。
もし、水頭症の疑いがある時は脳神経外科の専門医師、できれば小児脳神経専門医の受診をしてください。
今回は、 水頭症 とは どのような症状であり、治療法にはどのようなものがあるのかお伝えいたします。
水頭症の症状と適切な治療法とは
水頭症とはどのような病気なのか
そもそも水頭症とはどのような病気なのか説明致します。
頭蓋内には脳みそがありその周りには脳で生産された脳脊髄液が経路をたどって循環し再度脳に吸収されます。この一連の仕事をこなし脳を外部からの衝撃や菌から守ってくれる大切な働きをしてくれているのが脳脊髄液です。
脳の何かしらの原因(脳腫瘍などの病気)で脳脊髄液の働きが悪く流れを阻害し脳そのものが圧迫されて脳圧が上昇することを水頭症といいます。
脳脊髄液(髄液)の働き
髄液は人間の体液の中で一番綺麗な体液です。髄液のほとんどが水であり無菌なのです。
大人と子供での一日に脳で生産される量は違いますが生産から吸収までの一連の作業は一日に約3回繰り返されると言われています。
水頭症には種類がある
水頭症と一言で表しますが実は水頭症も種類があるのです。
脳室内で髄液の髄液の流れが阻害される水頭症を「非交通性水頭症」、脳の表面で髄液が溜まり吸収することが出来ない水頭症を「交通性水頭症」、そして脳の病気(くも膜下出血や腫瘍、外傷など)などの後でおこる「続発性水頭症」、原因が不明でわからないときにおこる「正常圧水頭症」があるのです。
交通性水頭症(続発性水頭症と正常圧水頭症)は成人や高齢者に多く、非交通性水頭症は小児に多いです。
非交通性水頭症
非交通性水頭症は小児に発症率の高いです。
髄液の流れる通路が生まれつきの先天的に狭いことから流れが悪くなったり、あるいは脳腫瘍を発症し、その腫瘍が通路を塞ぎ流れを阻害して起こります。
こちらの水頭症は原因がはっきりしているので早期治療で水頭症を改善することができます。
交通性水頭症
交通性水頭症は成人に多い水頭症です。非交通性水頭症とは違い頭蓋内の脳圧は正常なことが多いのですが歩行障害や反応低下、記憶力の低下や尿失禁を症状としておこすことがあります。
高齢者認知症の患者さんでも交通性水頭症の可能性の患者さんもいらっしゃいますので一度気になる症状がある時は受診してください。
水頭症の処置
水頭症は適切な処置をすれば症状は改善されます。水頭症改善するには髄液の流れをよくしてやることです。流れを阻害している原因が特定できているのであればまずその処置が先決です。
水頭症処置は脳室腹腔シャント術を始めシャント手術が定番です。最近では第三脳室開窓術がされることが多くなりました。
水頭症は治らない病気ではない
治療を受ければ治らない病気ではありませんが放置してしまうと症状は悪化して脳浮腫をおこし最悪死に至ることもあります。上記の説明で日常生活の中で気になる症状はありましたか。その時は迷わず受診してください。
脳の病気ですので人間の生きるための司令塔が脳でありその告知を受けたときの衝撃は大きなものですが決して治らない病気ではありません。
きちんと発症した水頭症に対して適切な処置を行えば症状は改善され日常生活の制限(チューブやバルブ体内にはいっているので衝撃の大きなスポーツは避けることにはなりますが)はなく水泳や体育などはしてもかまわないのです。
発症する前の生活をすることに何の問題もありません。女性では妊娠出産も可能です。もちろん医師との相談の上となります。
まとめ
水頭症の症状と治療法
水頭症とはどのような病気か
脳脊髄液(髄液)とは
水頭症には種類がある
非交通性水頭症