赤ちゃんの検診では、頭囲も計測します。その時に「頭が大きい」と言われると、何かの病気ではないかと心配になりますね。頭が大きくなる病気の一つに水頭症があります。 水頭症 にはさまざまな 症状 があります。代表的な症状を紹介するので、 赤ちゃん にあてはまるかみてみましょう。
赤ちゃんの水頭症、その症状とは?
頭囲が大きくなる
赤ちゃんは、頭蓋骨がまだ固まっていないので、やわらかく、動きやすい状態です。そこで脳内に髄液がたまると、骨が押し上げられるため頭が大きくなってしまいます。
赤ちゃんの頭は、元々体の大きさに対して大きいことが一般的ですが、成長曲線から大きく外れていたり、徐々に外れ方が大きくなっていったりする場合は水頭症の可能性があります。
大泉門が膨れたり、硬くなったりする
大泉門は、赤ちゃんのおでこの生え際あたりにあります。産まれた頃は、さわるとぷよぷよしてやわらかい状態ですが、成長とともに少しずつ骨が動いていき、生後10ヶ月頃になると閉じて硬くなります。
水頭症では、大泉門が閉じていないときに脳内に髄液が溜まると脳内が圧迫されるので大泉門が膨れてきます。また、皮膚が引っぱられるため硬くなる症状もあらわれます。大泉門は、正常なときは膨らむことはないので、わかりやすい症状です。この症状が出たときは、早めに受診しましょう。
頭の静脈が極端に目立つ
頭蓋骨内に髄液が溜まることで、赤ちゃんの頭は大きな負担がかかった状態になります。溜まった髄液に圧迫されて、皮膚がつっぱって薄くなります。
そして、血管が極端に濃く、静脈が太くなり、浮き上がっているように見えることがあります。こめかみのあたりの静脈でみるとわかりやすいでしょう。
黒目が下まぶたに入る
「落陽現象」といわれ、水頭症の代表的な症状の一つです。黒目が下に落ちて、下まぶたの中に入り込み、目の上側の白目がめだつ症状です。とても分かりやすく、大きな特徴なので、この症状が見られたら早めに受診しましょう。
首のすわりが遅い
水頭症の赤ちゃんの頭は、大きく重くなるために支えることができず、首のすわりが極端に遅れることがあります。首のすわりには個人差もありますが、普通生後5ヶ月頃には完了します。
赤ちゃんが5ヶ月を過ぎても、「首に全く力が入っていない」「首すわりの兆候が見られない」場合は注意が必要です。
急に機嫌が悪くなることが多い
髄液が脳内に溜まると、頭痛や吐き気が起きたり、頭がぼうっとしたりします。そのために、赤ちゃんは急に不機嫌になったり、甲高い声でくり返し泣いたりすることが多くなります。他にもけいれんを起こし手足を突っ張らせる傾向や、うとうとと眠る症状が現れる場合もあります。
水頭症であっても、赤ちゃんの月齢や病気の状態が軽度の場合、これらの症状が出ずに元気な様子の場合もあり、わかりにくい症状といえます。重症化してくると、これらの症状も重くなり出てくることもあります。
水頭症の検査と治療
赤ちゃんの月齢が小さいほど、症状だけでは水頭症かどうかの判断がつきにくい場合があります。医療機関では、CTやMRIによる画像検査を行い、脳内の髄液の量や髄液が脳に与えている圧力等をみて水頭症かどうかを診断します。
治療は、現在は内科的な治療はなく、「シャトン手術」という手術によって、脳内に管を通して、脳に溜まっている髄液をお腹の中に流すようにします。これによって、脳内が圧迫されなくなり、症状が改善します。
早い時期に発見して、治療の早く始めることができれば、赤ちゃんの症状を早く改善することにつながります。そして、赤ちゃんが気持ちよく過ごせるようになるだけでなく、水頭症によって起こる神経障害や発達の遅れを防ぐことができます。少しでも不安がある場合は、早めに受診しましょう。
まとめ
赤ちゃんの水頭症、その症状とは?
頭囲が大きくなる
大泉門が膨れたり、硬くなったりする
頭の静脈が極端に目立つ
黒目が下まぶたに入る
首のすわりが遅い
急に機嫌が悪くなることが多い