水頭症 という病名を聞いたことがありますか。字を見てなんとなく想像できるという程度の人がほとんどだと思います。小さい子供もかかる病気、そして 後遺症 の残る可能性がある病気ということを知っておくといいでしょう。
水頭症の子供の後遺症とは
水頭症とは
日本では、約1,000人に一人の割合で、水頭症の赤ちゃんが生まれると言われています。水頭症とは、頭の中の脳脊髄液が何らかの原因で、うまく循環されないで、頭蓋骨の中に溜まってしまう病気です。治療をしなければ死に至る可能性があり、後遺症が残ることもあります。
水頭症かどうかのチェック
子供が水頭症かどうか、毎日の生活のなかで気にしておくといいポイントがあります。まず、頭囲が大きくなります、検診でチェックされることもありますが、自宅でも発達曲線のグラフに照らし合わせてみてください。
次に頭頂部にある柔らかい部分(大泉門)が膨らんできます。膨らんでいるかどうかわからないときは、小児科の医師に相談してみてください。また、首のすわりが遅れたり、母乳を飲んだら頻繁にむせるといった症状も出ることがあります。
少し大きいお子さんは、頭が痛いとか、吐き気がするとか、自分で伝えることができるでしょう。後遺症を残さないためには、普段から子供の様子を注意深く見て、早く異常に気付くことが大切です。
水頭症の原因と治療
水頭症とは、どのような原因で起こるのでしょうか。脳室内で作られた脳脊髄液は脳を循環し、大脳表面から吸収されます。この作られた脳脊髄液の量が、吸収される脳脊髄液の量を上回った場合、脳室にたまり脳室が拡大します。こうして頭蓋内圧が高まり、脳が障害を受けます。
このうち、脳脊髄液の循環が障害を受ける事でおこるものが、閉塞性水頭症といい、もう一つは脳脊髄液の作られる量と吸収される量の異常が原因のもので、交通性水頭症といいます。子供では、先天奇形や脳出血、脳腫瘍など、病気が閉塞性水頭症をおこす原因となることが多いです。
治療はおもにシャント術という手術がおこなわれます。この手術は、脳の中に溜まった脳髄液をほかへ流す道をつくる手術です。この手術をして水頭症自体の症状はよくなることが多いのですが、治療前に影響を受けた脳の場所によって、後遺症の有無や回復度合いが変わってきます。
また、なかにはシャント術をおこなったものの、改善がみられない場合があります。こういった時は、水頭症をおこしている病気が隠れているかどうかを詳しく調べ、その治療がおこなわれます。
水頭症の後遺症
水頭症を放置しておくと重度の後遺症が高い確率で残ります。後遺症が残らないようにするには、発見時に起こっていた体の不調を、その後、いかに小さくおさえるか、すなわち脳機能を早く取り戻すという事が一番です。
子供の時期に、手術によって早急に治療して脳機能を取り戻すことができれば、普通に生活していく事は可能です。
しかし、成長にともない、めまいがしたり、頭痛、吐き気の症状をうったえることも多く、なんらかの手助けが必要なこともあります。重度になれば、知的障害、運動障害、視力障害、なかには植物状態になってしまい、人工呼吸器を使用することになる場合もあります。
よって、水頭症の後遺症というのは、体が不自由になる人、学校で普通学級の授業が受けられるひと、そうでない人、車いすが必要な人、仕事ができる人、できない人、人それぞれ後遺症の程度は変わってきます。
水頭症の後遺症の治療
水頭症は脳におこる疾患なので、脳の病気、たとえば脳梗塞や脳出血などと同じく、内科的、外科的治療の後、リハビリテーションで軽減されていく事もあります。
年齢やダメージを受けた脳の場所と大きさで個人差はありますが、水頭症が早期に発見されれば、日常生活に支障がなくなるまで機能が戻るとも言われています。
新生児の頃から、子供の様子をこまめにチェックし、小さな兆候を見逃さないことが、水頭症の早期発見につながり、その後の後遺症の有無、大小にかかわってきます。
まとめ
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水頭症の後遺症
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