子どもの水頭症と聞いて、「頭が異常に大きい子」とイメージされる方も多いと思います。乳幼児から発症した水頭症であればそのイメージは間違いではありません。
しかし、水頭症は学童期以上になってから発症する事もあり、その際は頭の変形を伴いません。水頭症は外見からでは判断しにくい事もあり、発見が遅れがちになります。
水頭症 の進行は脳へのダメージを大きく与えてしましますので、水頭症の特徴を覚え早期対応ができるようにしたいものです。
子どもの水頭症 どのような特徴があるの?(前編)
水頭症とは
人間の脳の中心には脳室と言って髄液という液体が溜まっている場所があります。髄液は常に産生と循環・吸収が行われるようになっており、一定の圧力が保たれるようにできています。
しかし、水頭症はその髄液の循環・吸収が何らかの問題でうまく行われず、脳室内に溜まっている髄液の量が増えていってしまい、脳内の圧力がどんどん高まっていくといった現象を引き起こします。そうなってしまうと、脳が内部からの圧力を受け圧迫されてしまうのです。
圧迫された脳はその機能を十分に果たすことができなくなり種々の問題が発生します。
水頭症の発生要因、病気との関連を年齢別に見てみる
新生児期にみられる水頭症の原因は脳室内出血、先天性奇形に伴うもの、先天性の髄液循環路の閉塞が多く、他にもトキソプラズマ、風疹などの母子感染が原因で誘発される事が見られます。新生児期に水頭症になる要因は母体内にいる段階で起こっていることが多いのが特徴です。
次に乳幼児期・学童期になると髄膜炎、脳腫瘍、頭部外傷等、後天的に起こった病気が要因となります。成人では脳出血やくも膜下出血、頭部外傷にも起因します。このように、水頭症はいつ誰にでも起こりうる病気です。
子供にみられる水頭症の年齢別症状
まず、未熟児の時期には呼吸停止、脈がゆっくりになるといった自律神経症状を伴うとともに、頭骸骨が柔く大泉門が閉じていない為、急激に頭部が大きくなるといった事が見られます。
次に乳児期ですが、意識がはっきりしていない様子もあり、それでいて周囲の刺激に対し過敏になっているといった身体状態になり、精神的にも不安定になりやすい状態となる事が多いです。
首すわりも遅く、眼球が上を向くことができないとった落陽現象を見る事もあります。この頃より、視覚にも影響がでてきます。
幼児、学童期になると頭痛・嘔吐・苛々等はっきりとした身体症状が伴うようになり、精神的にも不安定になる事が目立ちます。足のつっぱりや、バランスがとりにくくなるなどの脳由来の身体障害も顕著にみられ始めます。物が二重に見える等、視力の低下もみられてきます。
後編では、水頭症の治療法や重度の水頭症の子供と作業療法という思想についてご紹介します。
まとめ
子どもの水頭症 どのような特徴があるの?(前編)
水頭症とは
水頭症の発生要因、病気との関連を年齢別に見てみる
子供にみられる水頭症の年齢別症状