ADHD の子どもがいる家庭では、生活を送る上でさまざまな問題が壁となって通常の事がままならない場合が多くあります。 障害者手帳 の所得によって、フォローできる場面もありますから、有効な支援を探して少しでも暮らしに役立てみるのも良いかもしれません。
ADHDの子どもが障害者手帳を所得するには
ADHDが該当する障害者手帳とは
ADHDは発達障害の中の一部と考えられ、その子ども達の多くは他にも症状を幾つか持っています。しかし、稀に他の症状はなく、診断が「ADHD」のみの子どももいます。
ADHDのみの診断の子どもの生活に困難はないのか?といえば、決してそのようなことはなく、家庭生活や学校生活(集団生活)でさまざまな困難が見受けられますが、手帳の交付までには至らないのが現状のようです。
手帳の代わりに、義務教育では支援級の制度が手厚くなっており、ADHDに特化したカリキュラムも豊富になっています。
障害者手帳の種類と所得状況
ADHDは発達障害の一部ですから、発達障害としての手帳の所得状況はどうでしょう。現在、発達障害が所得できる可能性のある手帳は、「療育手帳」と「精神障害手帳」の2種類があります。
療育手帳は、標準化された知能指数(IQ)を図る検査によって知的障害があると診断された場合に発行されます。精神手帳は、精神症状に発達障害や統合失調症などが該当し、社会生活に支障があると判断された場合に発行されます。
療育手帳の概要とADHDとの関連性
療育手帳は、各自治体によって名称や判定基準が異なりますので、各自治体の福祉課や児童相談所に確認をします。概ね知能指数が70~75以下の場合に認められます。18歳以下の場合は、管轄の児童相談所に申請します。
ADHDの子どもが幼児である場合、衝動性や不注意で目の前の課題に集中できず、最後までやり遂げられない場合があります。
そのため、この衝動性や不注意などで本当は正しい答えを知っているけれど、途中から別の事を考えてしまい間違えてしまう、今やるべきことを受け取れないでまるで関係のない回答をしてしまうという状態になり、検査結果として知能指数が低く出てしまうことがあります。
これを精神遅滞といい、知的障害と判定される場合があります。
精神障害手帳とADHDの関連性
精神手帳は発達障害や統合失調症、てんかんなどが該当します。初診日より半年以上経過してから申請できます。
以前は、大変強い感覚過敏があり日常生活に多大な支障があるにも関わらず、知能指数が高いために支援を受けられない発達障害の子どもも多くいましたが、最近では認められるケースが増えています。
ADHDの子どもの場合、特に集団生活の場面では注意される叱られる場面が多くなりやすいです。そのために、自己肯定感が下がり悲しいことに二次的に統合失調症や鬱になってしまう子どももいます。
また、発達障害に含まれるADHDの子どもの場合は、強い感覚過敏やてんかんを併せ持つ子どももいます。症状が重度の場合は、社会生活において行動が制限されてくるために認められるケースも多くあります。
そして、衝動性や不注意が感覚の混乱を招くこともあり、自傷行為を繰り返す子どももいます。知能指数が高い場合であっても、これらの症状がある場合は日常生活に困難がありますので、交付の対象になるケースが増えてきました。
ADHDの子どもの成長と手帳
障害者手帳には更新があります。療育手帳は各自治体によって、精神障害手帳は2年ごとに更新をします。子どもの成長によって症状が落ち着く、本人や周囲の工夫で緩和されることも少なくありませんから、更新に伴って必要なくなる子どももいます。
違った場面では、自治体によって支援高等学校や就労支援にあたり、手帳が必要となることもありますのでご家庭の判断でよく考慮されるとよいでしょう。
まとめ
ADHDの子どもが障害者手帳を所得するには
ADHDが該当する障害者手帳とは
障害者手帳の種類と所得状況
療育手帳の概要とADHDとの関連性
精神障害手帳とADHDの関連性
ADHDの子どもの成長と手帳