小さな子どもの肌は薄く、デリケートなのでさまざまな原因で湿疹があらわれることがあります。清潔を保っても湿疹が改善しないときは、適切に薬を使い悪化を防ぎましょう。
子どもの 湿疹 に使われる 薬 について親はしっかりと理解しておくことが大切です。
子どもの湿疹に使われる薬ってどんなもの?
子どもの湿疹とは
ヒトの皮膚は、肌のもっとも外側の角質層が持っている保湿機能と、細菌や化学物質が外界から侵入することを防ぐバリア機能というふたつの機能によって守られています。体内の水分が必要以上に蒸発してしまうのを防いでくれるのもこのバリア機能のおかげです。
これらふたつの機能は、天然保湿因子、細胞間脂質、角質細胞、そして皮脂といったもののバランスがうまく保たれることによって、正常に機能するといわれています。
生まれてすぐから生後3か月程度の小さな赤ちゃんは、皮脂の分泌が一時的に活発になります。成長していくと、この皮脂の分泌量は徐々に低下していきます。
小さな赤ちゃんの皮膚には天然保湿因子や細胞間脂質がまだ少ないため、外界からの刺激を受けやすくなっています。
さらに、子どもの皮膚は非常に薄く、大人の半分ほどの厚みしかないうえ、汗腺は大人とほぼ同じ程度の数があり、代謝機能が非常に活発になっています。このため、自分の汗で皮膚がかぶれやすくなってしまうという特徴もあります。
子どもの湿疹は実にさまざまな要因によって起こります。刺激物に触れて湿疹が起こる接触性皮膚炎や汗腺が詰まって、汗が皮膚の中に閉じ込められてしまうことで湿疹が起こるあせも(汗疹)などが小さな子どもの湿疹の原因として多くみられるものです。
ほかにも、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、伝染性膿痂疹(とびひ)なども湿疹があらわれる病気です。
効き目の強いステロイド薬
ステロイドを使った薬は効き目が強く、即効性があります。ひどい湿疹には短期間、ステロイド薬を使って炎症をおさえていきます。ステロイドはその強さによって、5段階に分類されています。
ひどい湿疹には3番目から5番目の強さのステロイドを使うことが多いようです。リンデロンやリンデロンV、ロコイド、デルモベートなどが皮膚科や小児科でよく処方されるステロイド薬です。
穏やかな効き目の非ステロイド薬
非ステロイド薬は、効き目が穏やかなので広範囲に、長期間使用することができます。非常に便利に使うことができますが、即効性はなく、炎症部分に直接はたらきかけるわけではないため、軽症の湿疹に使われる薬です。
小さな子どもにステロイド薬を使ったあとに、症状の改善がみられたら、非ステロイド薬に切り替えて引き続き、肌の状態を改善していくというようにも使われます。
オイラックスやレスタミンなどが病院でよく処方される非ステロイドの薬です。ほかにも、ヒルドイドソフトや白色ワセリンなどの保湿剤もあわせて使用されることが多い薬です。
体の内側から効く内服薬
ひどい炎症がみられるときや、かゆみがひどいときには、塗り薬とあわせて内服薬を使い、体の内側からもはたらきかけていきます。
患部が細菌に感染しているときは、炎症をおさえるために抗生物質を飲むこともあります。一般的に、かゆみがひどいときは、抗ヒスタミン薬を使ってかゆみをおさえていきます。
子どもに湿疹の薬を使うときの注意点
子どもの湿疹は薬だけに頼らず、肌を清浄に保ったり、傷口を悪化させたりしないよう、親が注意してあげることも大切です。
子どもはかゆみを我慢することが難しいので、湿疹を自分で掻いて悪化させてしまいがちです。爪は短く切っておくようにしましょう。また、汗をかいたらすぐに拭いてあげたり、着替えさせたりしましょう。
子どもに湿疹の薬をつかうときは、どのようなものが処方されて、どのくらいの期間、どのくらいの量を使うのかを親はよく理解し、適切に薬を使用することが非常に重要です。
ステロイド薬が処方されているときは、特に医師の指示を守って、勝手に薬の量を増やしたり、薬の使用をやめたりしないようにしましょう。
まとめ
子どもの湿疹に使われる薬ってどんなもの?
子どもの湿疹とは
効き目の強いステロイド薬
穏やかな効き目の非ステロイド薬
体の内側から効く内服薬
子どもに湿疹の薬を使うときの注意点