赤ちゃんや小さな子供の肌が赤く腫れてかゆくなってしまうことはよくあることです。免疫力の弱い子供たちの皮膚疾患で多く見られるのが、じんましんと 湿疹 です。この二つはとてもよく似ていますが、治療法が異なるのでしっかりと見極めることが大切です。
子供のじんましんと湿疹の違いを見極める
じんましんと湿疹の症状の違い
じんましんと湿疹の症状は非常によく似ています。原因を突き止めるためには、症状を細部まで観察してみることが大切です。
じんましんでは、非常に強い痒みと虫に刺された時のような赤いふくらみ、ブツブツ、みみず腫れなどがあらわれます。じんましんはこのような肌の状態が数時間から1日、2日ほどでいったん治まりますが、再発することもあります。
慢性じんましんの場合は、夕方から夜間にかけて症状があらわれ、翌日の午前中のうちに消えてしまうという状態を繰り返します。
湿疹では強い痒みと赤みがあらわれます。赤いブツブツは症状が悪化すると水疱になることもあります。水疱が破れると皮膚の表面が荒れ、さらに痒みは強くなります。痒みが強いため、さらに掻き壊して皮膚の状態は悪化していきます。
湿疹はじんましんのように、1日や2日程度で症状が治まることはありません。ひどい時には1週間以上症状が続くこともあります。
じんましんと湿疹の原因の違い
じんましんと湿疹の症状はよく似ていますが、原因は異なります。
じんましんの原因は、食べ物、抗生物質、虫や植物、接触などによる物理的刺激や運動、発汗など多岐に渡ります。食べ物が原因のじんましんでは、サバやアジなどの青魚、そばなどのアレルギーがよく知られています。
湿疹は皮膚表面に刺激物が触れることで発症することが多く、金属や植物、下着のゴム、シャンプーなどに含まれる界面活性剤なども原因と考えられます。
じんましんと湿疹の検査
何が原因で皮膚が荒れているのかを調べるために検査をすることがあります。
じんましんの原因を調べる際にはスクラッチテストを行います。これは、細い針で皮膚に小さな傷をつけて、検査物質を垂らして25分後に反応を見るというテストです。血液検査でIgE抗体を調べることもあります。アレルギー反応がある時はIgE抗体値があがります。
接触性皮膚炎の湿疹の原因を調べる際にはパッチテストを行います。検査物質を腕や背中に貼り付け、2日後にはがして、その1時間後と翌日に判定を行います。皮膚が赤くなっていたら、陽性です。
じんましんと湿疹の治療
じんましんは肌表面に症状が見られますが、症状を引き起こしているのは皮膚の表面より下にある真皮層の部分なので塗り薬では効果がありません。ですから、治療は痒みをおさえる抗ヒスタミン薬の内服や注射を行います。抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー剤を使うこともあります。
湿疹は、ステロイドの入った外用薬を用いて治療を行います。ステロイドは効き目の強さによって5段階にわかれています。ステロイドは適切に使わないと依存してしまったり、効果が半減してしまったりします。
医師の指示に従って使い、やめる時も医師に確認してからやめるようにします。症状によっては抗ヒスタミン薬を使うこともあります。症状が軽い時は、保湿剤を塗って様子を見ることもあります。
日常生活で気を付けなければならない点
じんましんも湿疹も原因物質が分かる場合は、できるだけ接触しないように気を付けることが大切です。
肌を清潔に保つことは非常に大切ですので、シャワーや入浴は欠かさないようにします。その際、熱いお湯では痒みを感じやすくなりますので、ぬるめのお湯で優しく洗ってあげるようにしましょう。長時間の入浴は肌を刺激しますので、短めにさっと入るようにします。
赤ちゃんや小さな子供には、掻かないように言い聞かせることは難しいので、常に親が気を付けてあげることが必要になります。爪は短く切って、どうしても掻いてしまうところは長袖、長ズボンなどで覆ってしまうといった配慮も大切です。
まとめ
子供のじんましんと湿疹の違いを見極める
じんましんと湿疹の症状の違い
じんましんと湿疹の原因の違い
じんましんと湿疹の検査
じんましんと湿疹の治療
日常生活で気を付けなければならない点