小さな子供は視力検査のやり方を理解すること自体が難しいので、分かりやすい 視力検査表 を使ってあげると正しい測定を行うことができるようになります。正しい測定を行って、その時々の子供の視力を知ることが視機能を十分に発達させる手助けにもなります。
子供にもわかりやすい視力検査表について知る
子供にとっての視力検査の重要性
人間の視機能はおおよそ9歳前後で大人と同じように完成すると言われています。9歳までに両目の視力に極端な差があったり、斜視が入っていたりすると両眼視(両方の目を使って同時にひとつのものを見る)の機能を十分に獲得できないままになってしまいます。
個人差はありますが、おおよそ9歳を過ぎたころになると治療を行っても、正常な両眼視の機能を得る可能性は低くなってしまいます。
乳幼児のうちに視力や斜視についての治療を開始するということが非常に大切になっています。3歳児健診で眼科健診があるのはこのためです。感受性の高い3歳前後での治療開始はその後の視機能を大きく左右する大切なポイントだと言われています。
一般的に使われている字づまり視力表
子供も小学校に入学すると、指示されている内容を的確に理解できるようになるので、大人が使う字づまり視力表で視力検査を行います。
小さな子供に字づまり視力表を使うと、指示された箇所の上下左右にも視標があるため、正しい場所に反応しているかどうかわからない場合があります。
一般的に使われている字づまり視力表で正確に測定することが難しい幼児の場合は、字ひとつ視力表や絵ひとつ視力表など様々な視力検査表を用いて検査を行います。
字ひとつ視力検査表
字ひとつ視力検査表は、字づまり視力検査表の視標をひとつずつ切り取ったような形状のもので、ひとつのカードにひとつの視標だけが書いてあるものです。
視標をひとつずつ見せることによって、視力を正しく測定します。字ひとつ視力検査表は3歳児健診でもよく用いられている視力検査表です。
最近では、小学校低学年のうちは字ひとつ視力表を用いる学校も増えてきました。
右や左といった方向を正確にあらわせない子供には、ランドルト環の模型を与え、切れ目と同じ方向をあらわすようにと指示することもあります。
自宅で視力検査を行う時は、ランドルト環の模型をハンドルのように手に持って、切れ目と同じように動かすハンドル遊びとして促してあげると良いでしょう。
絵ひとつ視力検査表
字ひとつ視力検査表でも、ランドルト環の切れ目がどちらを向いているか表すことが難しい時は、絵ひとつ視力検査表を用いると正しく測定することができる場合もあります。
絵ひとつ視力検査表では、蝶、犬、魚、鳥などの絵の視標がひとつずつ印刷されたものを使います。絵ひとつ視力検査表での視力検査は2歳6か月頃からできると言われています。
視力検査の方法は二通りあるとされています。一つ目は、提示された視標の名前を答えさせるもので、もうひとつは子供の前に見本のカードを置いておき、提示された視標と同じものはどれかと選ばせるやり方です。
森実式ドットカード検査表
森実式ドットカード検査とは、うさぎやくまの目の部分が視標になっていて、子供には目があるかどうかをたずねるという検査方法です。
30センチの近距離で行う検査です。動物の目の大きさや位置がそれぞれ異なったカードを見せ、目の有無やどこに目があるかを答えさせます。先の丸いペンや指先でどこに目があるかを指し示します。
小さな子供が指で触るとカードを汚してしまうことがあるので、できればペンなどで指し示す方が良いでしょう。こちらの検査表を使うと2歳前後から視力検査を行うことができます。
まとめ
子供にもわかりやすい視力検査表について知る
子供にとっての視力検査の重要性
一般的に使われている字づまり視力表
字ひとつ視力検査表
絵ひとつ視力検査表
森実式ドットカード検査表