小学生にもなると、学校検診も始まり 視力検査 の結果の紙をもらって来るようになります。子供の視力低下の原因のほとんどは近視によるものですが、なかには 乱視 を指摘される場合もあります。なんとなく聞いたことはあるとは思いますが乱視とは一体どういった状態なのでしょうか?
意外と知らない視力検査で指摘される乱視について
乱視とは
乱視とは、眼の経線方向(縦、横、斜め)によって屈折力が違うため、1点から出た光が眼の中で1点に焦点を結ばない眼の状態です。簡単に説明すると、目の中に入ってくる光の方向によって焦点を結ぶ位置が異なるため、見えにくくなったり、ダブって見えたりする状態のことです。
乱視には、角膜や水晶体の対照的な歪みのために生じる正乱視と、屈折面での屈折が不規則で円錐角膜などでみられる不正乱視にわけられますが、視力低下を指摘されてくる乱視のほとんどは正乱視なので、今回は正乱視のことをより詳しく説明していきます。
乱視(正乱視)の種類
乱視にはいくつかの分類がありますが、その中の乱視の方向での分類を説明します。
屈折力が強い強主経線(きょうしゅけいせん)が垂直方向の直乱視(ちょくらんし)、強主経線が水平方向の倒乱視(とうらんし)、強主経線が斜め方向の斜乱視(しゃらんし)の3つに分けることができます。
このうち、子供の視力検査で指摘されてくる乱視は、圧倒的に直乱視が多いです。逆に高齢者では倒乱視が多いです。
乱視の矯正方法
乱視の矯正方法は基本的には近視と同じく眼鏡になります。ただし、近視の眼鏡と大きく異なる点があります。乱視には近視と違い、軸というものが存在します。眼鏡を合わせる時にこの軸の方向を失敗すると見えやすくなりませんし、軸の方向によっては逆に見えづらくなることさえあります。
さらに、近視の眼鏡よりも掛け心地が悪くなりやすいので、うまく調整してあげる必要があります。つまり、眼科でしっかりとした検査をしてもらい、眼鏡の処方箋をもらって眼鏡をつくるべきです。
もうひとつの乱視の矯正方法はコンタクトレンズです。コンタクトレンズにはソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズがあります。乱視矯正効果はハードコンタクトレンズの方が強いですが、ハードコンタクトレンズは非常に異物感が強いため、慣れるのに時間がかかります。
現在では余程強い乱視でなければ、ソフトコンタクトレンズでも矯正が可能となっています。ソフトコンタクトレンズはハードコンタクトレンズに比べて異物感が少ないため、はじめての人でも使いやすいやすいです。
なお、現在のソフトコンタクトレンズは安全性も考慮され、1dayか2weekなどの使い捨てコンタクトが主流となっています。
ただし、コンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されています。コンタクトレンズを選ぶ場合には、自己管理ができる年齢になり、眼科で目の状態を診てもらい、しっかりとした取り扱いの指導をうけてから使用すべきです。
視力検査で乱視と指摘された時の注意点
視力検査で乱視を指摘された場合、ほとんどの場合は普通に眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば問題ないのですが、乱視の度数が非常に強い場合と、左右の乱視の度数に大きな差がある場合には注意が必要です。この場合、眼科で正しく治療しないと弱視になる恐れがあります。
弱視とは、簡単に説明すると眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力がしっかりでない状態です。弱視にならないためには、眼科で訓練をうける必要がある場合もあります。ですので、乱視を指摘された場合は、一度は必ず眼科を受診するようにしましょう。
まとめ
意外と知らない視力検査で指摘される乱視について
乱視とは
乱視(正乱視)の種類
乱視の矯正方法
視力検査で乱視と指摘された時の注意点