一般的に近視で0.3以上、0.7未満であれば、必要な場合にのみ使用し、0.3未満であれば、常用する必要があると言われているメガネですが、成長期にメガネを掛けることは視力低下を加速させるのではと懸念される方もいます。
本当に子どもの 視力 低下に メガネ は必要なのでしょうか?
成長期にある子どもの視力低下によるメガネの必要性
眼科医による見解
よく成長期にメガネを掛けることで、視力が悪化したという話を耳にします。これは、あたかもメガネにより視力が低下したかのように捉えられがちですが、本当は違うというのが眼科医による見解です。
と言うのも、視力が低下しているにもかかわらず、裸眼での生活に慣れている子どもは、目を細める、横目で見る、顎を上げる、ないしは引くなどの調整を無意識に行うことで焦点を合わせています。
しかし、メガネを掛けるとその無意識の努力が必要なくなるため、本来の視力が顕著にあらわえるのです。
また、子どもの近視は一度発症すると、かなりのスピードで低下し、一気に0.2まで至ります。この急降下の時期とメガネを掛ける時期が被ることから、そのような誤解が生じるというわけです。
メガネを掛けないことによる弊害
視力回復トレーニングによる視力アップ効果が評価されている中、何のトレーニングも試みることなく安易にメガネでの矯正に頼りきることは視力低下の一途を辿ると言う専門家が多くいます。
一方で、この様な理由からメガネを掛けることを遅らせたことによる弊害も多く見受けられると説く専門家もいます。
例えば、メガネを掛けるタイミングが遅れることで近視が進行し、いざメガネを掛けることになった時に度数の高いメガネを掛けざるを得なくなるというケースがよくあります。
その他、通常私たちの目は、遠くを見る時の開散と近くを見る時の輻輳という動作を常に行っていますが、この動作がメガネを掛けた時にのみ正常に作動する、メガネを掛けると物が二重に見えるという様な現象が起こっているという報告もあります。
メガネを付けるタイミング
子どもの場合、メガネを掛けるタイミングについては、視力の度合いよりも日常生活に何らかの支障がないかどうかに基準を持ってくることの方が大切です。
授業を受ける上で、最前列の席でも黒板の文字が見えにくい状態は、裸眼視力が0.2ないしは0.3程度しかないと思われます。裸眼視力で50cm以上前方にピントが合わせられない場合は、メガネを掛ける必要があると考えてよいでしょう。
近視を抑制するメガネ
近視の進行を遅らせるメガネにピンホールメガネやMCレンズがあります。これらのメガネについても賛否両論あり、MCレンズに関しては抑制効果を実証されているものの、個人差もあり、確実に抑制できる保証もないことから眼科で処方可能ですが、積極的に勧められてはおりません。
しかし、近視を抑制する上で理にかなっているこれらのメガネは、試す価値がないとは言い切れません。
これらのメガネで近視の進行を抑制しながら、視力回復トレーニングを並行して取り入れてみることは、視力回復トレーニング単独でするよりも、より良い効果が得られるのではないでしょうか?
ピンホールメガネ
このメガネは毛様体筋をリラックスさせる効果と虹彩筋が鍛えられる効果があると言われています。通常、私たちの目は外部からの光を毛様体筋で水晶体の厚みを調整しながら屈折させることにより網膜に焦点が合うように調整します。
近視は、その焦点が網膜よりも手間で合うことにより視界がぼやけてしまうのです。ピンホールメガネを使うことで小さな無数の穴を通して入る光は、その幅が狭いことで毛様体筋による調整が必要ありません。
これにより、このピンホールメガネを掛けている間は、毛様体筋を休ませることができるため、毛様体筋の緊張をほぐすことができます。
また、近視の状態は通常よりも瞳孔が大きいと言われています。瞳孔を縮小、拡大する動作を担う虹彩筋がこのピンホールメガネを掛けることで、光を通す穴と穴のない黒い部分を認識する動作が耐えず繰り返されることで、虹彩筋が鍛えられると言うわけです。
MCレンズ
MCレンズはカールツァイス社が開発した画期的なメガネで、成長期にある子どもの近視進行を抑制する効果が実証されています。MCレンズは遠くをみる部分は自然とクリアにみれるように、近点作業のように近くをみる部分は毛様体筋の調整機能を軽減できるように設計されています。
また、小児用の小さなフレームを考えた上で設計されているため、長時間掛けていても負担を感じることなく、快適に過ごせます。適応年齢は7歳~18歳で、常用することで抑制効果が得られます。
まとめ
成長期にある子どもの視力低下によるメガネの必要性
眼科医による見解
メガネを掛けないことによる弊害
メガネを付けるタイミング
近視を抑制するメガネ