眼科での検査は 視力 や目の病気などを調べる上で、それぞれがとても重要な意味を持っています。中でも印象的な 検査 は 気球 が登場するものではないでしょうか?クリアな映像から一転してぼやける気球、これには重要な意味があるいうことを知っていましたか?
視力検査で登場する気球がぼやけるのには理由があった?
オートレフケラトメーターとは?
気球が登場する検査に使われる精密機器のことをオートレフケラトメーターといいます。このオートレフケラトメーターを使っての検査では、眼の屈折度(遠視、近視、乱視の程度)や眼の形状が測定されます。
方法としては、赤外線を目に当てることにより瞳孔から差し込んだ光が網膜で反射します。この反射した光で屈折度を測定します。また、角膜表面にも光を当てることで、カーブの度合いも測定することができます。
この結果が視力矯正する上で大切な目安になり、これを元にメガネやコンタクトレンズの度数も決まります。一般的に馴染みのあるOの穴あき部分を指差しして測定するような自覚的なものとは違い、オートレフケラトメーターでの測定は他覚的な検診と言えます。
ぼやけることの意味
通常、私たちの眼は遠くをみる時は水晶体を薄くし、近くをみる時は水晶体を厚くするなどの調整を行いながら絶えずピントを合わせています。オートレフケラトメーターでの測定中、この調整機能が働いていると、正確な検査結果が得られなくなります。
そこで必要なのがぼやけた状態の画像なのです。このことを雲霧といい、私達の眼は雲霧によりリラックスし、調整機能は停止した状態になります。この雲霧によるリラックス状態はわずか数秒で、この間に屈折度が測定されます。
子どもの場合は、大人に比べると調整機能が強く働き過ぎることから、オートレフケラトメーターによる検査の前にピントを合わせる調整機能を麻痺させるための点眼をします。
このように、正確な検査結果のためには、検査を阻害する眼の機能を抑える必要があります。雲霧は、正確な検査結果を導き出す上で大切な意味を持っているのです。
ハンドヘルドレフケラトメーター
大人と違い、集中力が持続せず、おとなしく検査を受けることが難しい子どもの測定をスムーズにすることができるのがこのハンドヘルドレフケラトメーターです。
オートレフケラトメーターを軽量化した手持ちタイプのもので、据え置き型のオートレフケラトメーターに顔を乗せて測定することが困難な小児向けの装置になります。
また、このハンドヘルドレフケラトメーターは、測定時にメロディーが流れるという機能が付いており、固視を導きく気球の画像もより小児の気を引く花の画像に変えることができます。オートレフケラトメーター同様、小児の屈折度を測定する上で、大切な役割を担った装置です。
正確な屈折度の大切さ
メガネやコンタクトでの矯正が必要な子どもにとって、屈折度を測定することはとても大切です。それは、度数の強弱が眼の疲労や視力低下などの要因になり兼ねないからです。
また、子ども、特に乳幼児の眼は大切な発達過程にあります。両眼で目標物を正しく捉え、それを網膜にはっきりと映し出し、脳で正確に理解する、この一連の流れの連続が視覚機能の健全な発達を促すのです。
子どもの遠視などの弱視は、器質的なもの、あるいは屈折異常により発達が阻害されているということに原因がありますが、そのほとんどが後者になります。そうすると、視覚機能の発達が完了する6歳頃までに正確な度数のメガネで矯正してあげることが必要になります。
ここで、オートレフケラトメーターやハンドヘルドレフケラトメーターでの検査の重要性が改めてよく分かります。正確な屈折度を測定し、適切なメガネを着用することから、弱視など屈折異常の治療は始まります。
眼は私達が生きて行く上で必要な情報を最初に収集する大切な器官です。この視覚機能に異常があると、記憶力や集中力などに支障をきたすと言われています。
また、勉強やスポーツ、遊びなど子どもが成長する上で欠かせない活動は眼の機能が正常に機能していることで成り立っています。そう考えると屈折度を測る検査は、子どもの健全な成長に大きく貢献していると言っても過言ではありません。
まとめ
視力検査で登場する気球がぼやけるのには理由があった?
オートレフケラトメーターとは?
ぼやけることの意味
ハンドヘルドレフケラトメーター
正確な屈折度の大切さ