生後未熟な 視力 は成長と共に徐々に発達し、その成長はおよそ6歳までで完了します。 1.0 は健全な成長の目安として考えられており、この健常視力は発達の異常や疾患など、視力低下に繋がる要因を早期発見する上でも重要な指標となります。
健康視力1.0に至るまでの成長過程で注意すべき点
視力の成長過程
誕生後から始まっている視力の成長は、不随意な運動から始まり、生後2週間では50cm付近で光る物を認識し、生後5~6週間頃になるとおもちゃを固視できるようになります。その後、成長と共に追視が可能になり、身の周りにある物をじっと見つめて探索できるようになります。
1歳位になると、輻輳や開散運動を行えるようにまで発達します。このように子どもの成長と共に視力は目まぐるしい発達を遂げます。
また、他覚的視覚の測定(視力検査)が正確にできるようになるのが2歳くらいからになります。この頃から眼反射運動はある程度安定していきますが、障害や疾患を見逃してしまうと、その後の成長が阻害される恐れがあります。
6歳までに完成される視覚機能は早期発見で改善できる可能性があるため、それまでの成長経過をしっかり観察し、正常な発達が成されているかを見極め、促す必要があるのです。
成長を阻む弱視とは?
弱視とは眼は健康なのに、視力の発達が遅れることをいいます。その要因としてあげられるのが遠視や乱視などなの屈折異常や斜視、先天性白内障、眼瞼下垂などになります。
いずれも早期の発見と治療が大切になりますが、乱視などは片目だけに異常がある場合もあり、早期発見が難しいケースもあります。
早期発見のために大切なこととして言われていることが3歳検診における眼科検診になります。生後初めての眼科検診は、その大切さの認識が足りないことから受診しないなどの理由により発達異常を見過ごしてしまうことがあります。
弱視の治療は3歳から6歳での治療が最も有効だと言われており、視覚機能の発達が完了した6歳以降に異常を発見しても改善は難しいとされています。だからこそ、親が早期発見で適切な治療を受ける重要性をしっかりと認識する必要があるのです。
チェックポイント
3歳検診を早期発見のチャンスとして活用することはもちろん大切ですが、その発達が完了するまでの乳幼児期は眼に異常があったとしても、正確にその症状を理解し訴え掛けることはほぼ不可能に近いと言えます。
そのため、普段から親が子どもの眼の状態を把握することが大切です。下記のような症状がみられた場合は専門医を受診する必要があります。
- 瞳が白い、或いは光っている
- 目が揺れる
- 目の形状がおかしい
- 目ヤニや涙がよく出る
- 眩しがる
- 目の位置がおかしく、ズレが生じる
- 目を細めることが多い
- 頭を傾けながら物をみる
- 瞬きが多い
上記のように外観から異常が見受けられる他、弱視の子どもは日常生活で飽きっぽい、反応が鈍い、疲れやすいなどの症状があらわれることがあります。外観だけでなく、これらのような症状にも合わせて注意する必要があります。
視力1.0とは?
子どもの視力はメンタルや体調などより多少の誤差がある為、最近ではA、B、C、Dの4段階で視力を評価します。これを3・7・0方式とよび、1.0は日常生活に支障をきたすことがない健常視力として、1つの目安とされています。
この視力検査は3歳検診から始まり、就学後は年に1回、学年が上がる時に実施されています。しかし、子どもの視力低下のスピードは大人の3倍あると言われています。ただ単に評価を受けるだけでなく、視力低下がある場合の対応も大切です。
適切な治療や対策で視力低下の進行を食い止め、回復に努めることで最悪な事態になる危険性は回避できるのではないでしょうか?
視力低下の背景
現代社会に生きる子ども達は、昔に比べるとテレビやゲーム、パソコン、携帯など目を酷使する環境に置かれています。
就学すれば、自ずと勉強することで目を使うことが増えるのは致し方ないことではありますが、視力の発達する重要な時期に目を酷使することは、その発達を妨げる要因になり兼ねません。
この他にも遺伝的な要素やストレス、食生活など視力低下に繋がる要因はありますが、子ども達の視力低下の低年齢化は、現代社会がもたらす恩恵の代償と言えるでしょう。
予防策
大切な子どもの目を守るのも親の役目です。重要な発達過程にある子どもの視力低下を防止するために、気を付けておきたいポイントを以下にまとめてみましたので生活に取り入れてみましょう。
- テレビやゲームなどを長時間することによる目の疲労を避ける
- テレビなどを見る環境を明るくする
- 外遊びなどで遠くを見る習慣をつける
- 姿勢に気を付けて読書や勉強をする
- 机は成長に合わせて高さを調節する
まとめ
健康視力1.0に至るまでの成長過程で注意すべき点
視力の成長過程
成長を阻む弱視とは?
チェックポイント
視力1.0とは?
視力低下の背景
予防策