一般的に 視力 が社会的標準とされる 0.7 を下回ると、さまざまな方法で視力回復を図ります。子どもの場合、メガネやコンタクトレンズなどによる矯正は、時期と原因によっては慎重になる必要があります。勉強などで眼を酷使せざるを得ない子どもにとって最良の治療法は何なのでしょうか?
社会的標準とされる視力0.7以下の矯正の必要性
乳幼児期の視力
乳幼児の視力は、その視覚機能が発達過程にあり、弱視など何らかの原因により視力の発達に遅れがみられた場合でも適切な治療を行うことで回復する可能性が期待できます。そのため、親が子どもの目に異常を感じた場合、早めに専門医を受診する必要があります。
中でも乳幼児の場合、機能的、或いは器質的な弱視かの判断が重要になります。機能的な弱視は遠視による影響が大きく、メガネなどによる矯正で本来の機能を取り戻すことが可能です。
遠視は放って置くと、視覚機能の遅れだけでなく弱視に繋がり、無理な調節を日常的に行うことで斜視を引き起こす可能性もあります。
また、視覚は子どもが健全に発育する上で重要な役割を果たしています。学校生活を行う上で必要な想像力や思考能力、発想力は視覚機能の健全な発達と大きく関係しているのです。乳幼児に健全な視覚機能を促すことは、子どもの能力を最大限に引き出すことにも繋がるのです。
視力低下の原因
視力低下にはさまざまな原因が考えられます。仮性近視や近視、乱視、遠視など、或いは何らかの疾患によることも考えられます。現代社会ではゲームやパソコンなど視力低下に繋がる要因が身近にあることから視力低下の低年齢化が問題になっています。
その他、骨盤などの体の歪みや頭部から眼球にかけての血行不良などが原因になることもあります。また、食事やストレス、何らかの病気の影響で視力が低下することもあり得ます。
ここで問題なのは、子どもの場合、視力低下により学校生活に支障が出ることです。3・7・0方式と呼ばれる方式で測定される学校の視力検査において、授業に支障がないとされる視力の目安が両眼で0.7以上と言われています。
それ以下になるとピントを合わせることに余計な筋力を使うため、疲れやすく集中力が続かないと言った弊害が出てきます。
学童期に多い仮性近視
仮性近視とは、別名を偽近視や学生近視と呼ばれ、近視ではないのに近視と同様に遠くの物がみえにくい状態になります。この仮性近視は、生活環境が大きく影響しており、パソコンや読書などで過度に眼を酷使することが原因です。
仮性近視の場合、点眼治療や凹レンズ、眼鏡により矯正する治療法もあります。矯正することよりトレーニングや予防で自然に改善することが望ましいとされています。
予防と治療
視力が低下した場合、専門医により視力を測定し、その原因が何なのかを点眼剤を用いて正確な屈折状態を調べた上で調べます。
遺伝的な要因による視力低下は、そのほとんどが強度近視で5%にも満たない割合しかないため、目の疾患がない限り、治療法としては目の訓練や点眼治療、眼鏡による矯正になります。
ただ、眼鏡による矯正は賛否両論あり、眼鏡に頼らずにトレーニングにより視力が回復するという考えもあります。
眼鏡による矯正は、視力低下を進行させる恐れもあり、酷いと眼鏡による矯正ができなくなるだけでなく、緑内障や網膜剥離といった眼の成人病を発症する可能性まで出てきます。低矯正の眼鏡を使うことで過度に眼鏡に頼らないことが大切です。
また、視力低下は治療することも大切ですが、それ以上進行しないように普段の生活で予防することも大切です。正しい姿勢で過ごすことやゲームなどを長時間しないことなど眼を酷使しない環境作りも大切です。
成長期の矯正
一生のうち、人が最も成長する時期が中学の頃です。この時期に過度に眼鏡やコンタクトレンズに頼った生活が習慣になると、短時間でピントが合うということに眼が慣れてしまい、この環境に適応する状態になります。もともと人間には適応する力が備わっており、それが顕著にあらわれるのが成長期になります。
大切な成長期に低下した視力を矯正するということは、強度の近視になる危険性があり、このような経緯で発症する近視を軸性近視といい、多くの専門家がその危険性に警鐘を鳴らしています。
まとめ
社会的標準とされる視力0.7以下の矯正の必要性
乳幼児期の視力
視力低下の原因
学童期に多い仮性近視
予防と治療
成長期の矯正