生後数か月の赤ちゃんの体は、赤みを帯びベタベタした 脂漏性皮膚炎 ができやすい状態にあります。かゆみもあるため無意識に掻き壊してしまって悪化させてしまうこともあるため、 薬 を塗布してかゆみと炎症を抑える必要があります。どのような薬が良いのでしょうか。
脂漏性皮膚炎はステロイド剤を適量塗布で早期抑制(前編)
脂漏性皮膚炎とは?ニキビと脂漏性皮膚炎の違いは?
子供が生まれて初めてなる皮膚炎がこの脂漏性皮膚炎か汗疹かもしれません。それほど多くの乳児期の赤ちゃんが経験する代表的な皮膚炎と言えるでしょう。
乳幼児期は皮脂の分泌が安定していない上に、外部からの細菌などの侵入から皮膚を守るためのバリア機能も未発達のために脂漏性皮膚炎の発症が多いと言われています。
また思春期に入ってからはニキビを併発することも多いため、ニキビと間違えて認識している人も多いと思いますが、基本的に発症源となる菌が異なります。ニキビはアクネ菌、脂漏性皮膚炎はマラセチア菌と言って、共に常在菌が発症源です。
常在菌は通常は悪さはしない菌ですが、細菌感染や皮膚状態の変化により、繁殖して皮膚に悪影響を与えてしまうことになるのです。
思春期から成人の脂漏性皮膚炎は、成長過程、またはストレスなどによりホルモンバランスの変化が起こり、皮脂が過剰分泌となり、皮脂を好む常在菌であるマラセチア菌も共に増殖することで、皮膚に刺激を与えて炎症をおこさせることになるのです。
頭皮、眉毛、鼻のわき、髪の毛の生え際、脇の下などが特に皮脂の分泌が激しい部位であり、脂漏性皮膚炎も発症しやすい部位と言えます。脂漏性皮膚炎もニキビも赤みを帯びた湿疹ですが、脂漏性皮膚炎はかゆみがありますが、ニキビは基本的にかゆみはありません。
そしていずれも脂によるベタベタ感はあるものの、ニキビは頭皮にはあまりできませんが、脂漏性皮膚炎は頭皮にも非常にできやすくフケがたくさん出るようになります。
しかし素人では炎症をみるだけでは判断がしにくく間違った薬を選んでしまう可能性もあります。脂漏性皮膚炎の場合、範囲が拡大して体中のかゆみに耐えがたくなる前に、適した薬を処方してもらうためにも一度皮膚科を受診することをお勧めします。
思春期から成人期の脂漏性皮膚炎とは?
中学生くらいになると、今までとは異なりホルモンが過剰に分泌されることで、同様に皮脂分泌も過剰になります。そのためニキビや脂漏性皮膚炎を発症しやすくなります。
脂漏性皮膚炎は頭皮にも非常にできやすく、毛穴に皮脂が詰まってマラセチア菌が繁殖して拡がることで、大量のふけを発生させるだけでなく脱毛を起こしやすくなるため放置は危険です。
思春期から成人期における脂漏性皮膚炎は薬だけに頼らず、ストレスや生活スタイル、食事などに注意することも重要です。成長と共に睡眠時間はどんどん減るものです。中学生や高校生の理想的な睡眠時間は8時間から9時間と言われています。
しかし残念ながら携帯電話やゲーム機の登場により、就寝時間に与える影響は大きく、中学生でも毎晩夜中に就寝するということも少なくありません。慢性的な睡眠不足はホルモンバランスの乱れを起こします。
ホルモンバランスが乱れると皮脂の分泌も安定せず過剰になることもあるため、睡眠はとても重要ということです。またビタミンB群が不足すると発症、または悪化しやすいと言われています。
そのため特に各器官の粘膜や皮膚を正常に保つ役割があると言われているビタミンB2や、不足すると皮脂を過剰に分泌する役割があるB6が多く含まれた食品を積極的に摂取するようにしましょう。
また頻繁に洗顔をしすぎることは一時的に皮脂を抑えても、皮膚が皮脂不足と判断して、より皮脂を分泌することになってしまいます。
しかし過剰な皮脂を長時間放置しておくことも細菌繁殖を促すことにつながるため、起床後と就寝前など回数を決めてしっかりと洗顔をするようにしましょう。そして洗髪も毎日しっかりとして頭皮の脂を洗い流すようにしましょう。
まとめ
脂漏性皮膚炎はステロイド剤を適量塗布で早期抑制(前編)
脂漏性皮膚炎とは?ニキビと脂漏性皮膚炎の違いは?